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中小企業の経営、戦略、計画に関する話題をまとめます。

中小企業の経営計画 – 経営改善に向けて行動計画の策定

戦略の次は具体的な行動計画

 中小企業の経営改善のために経営計画を策定するには、企業の理念を明確にし、目標を立て、戦略を練るという流れでのお話を書いてきました。次は具体的な行動計画ですね。戦略に対する戦術と考えることもできるでしょう。目標に向けた戦略を効果的に実現するために、どのような行動を行うのかを計画書に反映させていきます。
 「誰が・いつまでに・何を」するのかを明確にするということですね。戦略を実行するためには必要な要素ごとに細かく行動計画を決めていくことになるでしょう。例えば、「売れ筋商品の販売に事業を集中させる」ような場合は、まず「売れ筋・死に筋商品の把握・分析」「対象商品の選別」「死蔵在庫の整理」「仕入れ方法の見直し」等、様々な行動が必要になるはずです。その一つ一つについて、行動計画を立てていき、社員が具体的な行動を取れるようにするということが必要になります。それぞれの行動を管理できるような単位で細かく分割できるようにすれば良いでしょう。

実績の管理

 一つ一つの行動計画は予定と実績を把握できるようにし、進捗も管理できるようにします。そうすることで対応状況が悪い場合でも早い段階で対処もできます。また行動計画には目標達成の判断ができる指標や達成を判断する基準も必要になります。何らかの形で成果を計測できないと、行動が完了したかどうかの判断ができなくなってしまいます。

できるだけ計数で管理する

 行動計画はできる限り計数で管理できるようにした方が良いでしょう。販売計画や仕入計画などであれば数字での管理もしやすいですね。しかしながら、「満足度」などのような定性的な指標については計数管理はなかなか難しいかもしれません。顧客アンケートでの集計や、リピート客数の集計など何らかの形での計数表現ができると管理がしやすくなるでしょう。

中小企業の経営計画- 改善の為の戦略策定

経営改善に向けて戦略の立案

 事業目標を策定したら、次はその目標を実現する為の方策を考える必要がありますね。つまり戦略策定です。目標を実現する為にはどのような事が必要となりますか?新商品を開発するのでしょうか?新規の顧客を開拓する為に新市場に進出することでしょうか?インターネットを使用して販売機会を増加することでしょうか?様々な事が考えられます。
 経営戦略を考えるとき「戦略≒目標」のような言葉になり、違いがあいまいになることもあるかもしれませんが、「目標」は目指すべき姿であり、「戦略」はそうなる為の方法であると考えればよいでしょう。目標を立てる時に「新市場に進出する」等のような目標を立ててしまうと、戦略との違いがややこしくなるので注意したいですね。

戦略レベル

 戦略にも様々なレベルがありまして、以下のようなレベルが考えられます。
  ・全社戦略
  ・事業戦略
  ・機能戦略
 上から順に細かくなっていくと考えてよいでしょう。全社戦略では全社で見た時の事業の選択や資源の配分、企業全体での基本方針など大きなレベルでの戦略となると考えられます。事業戦略は個々の事業毎に、全社戦略の方向性に沿った個別の戦略や他社との競争に打ち勝つ為の戦略を策定することになります。機能戦略では、財務・マーケティング・生産・人事等の機能毎の戦略を策定します。
 このようなレベル分けをしておりますが、絶対にこのレベルで戦略策定をしなくてはいけないわけではなく、企業のおかれている状況や、行動のしやすさなどを総合的に考えて、戦略策定すればよいでしょう。小さな企業の場合、全社戦略と機能戦略のみで考えることもできるでしょう。

戦略は経営目標と改善の実現のためにベクトルをあわせましょう

 戦略は、経営目標・事業目標の実現の為、立てた目標との整合性のある戦略を策定します。様々な戦略が関連を持って、目標に向かって収束するように方向性を合わせることが大切です。
  ・方向性を合わせること
  ・ターゲット(目標)を明確にすること
  ・実現可能な戦略であること
等に留意する必要があるでしょう。

経営の改善の為、効果的な戦略策定をしたいものですね。
中小企業診断士は、中小企業の経営の改善の為、戦略策定のお手伝いができます。気楽に相談してみましょう。

中小企業の経営計画 – 事業目標の設定

前回、中小企業の経営計画を策定するために、現状の分析をするという部分について書きました。
分析が終わったら次に何をするでしょうか?
次は、将来の経営革新・経営改善のために「目標」を設定します。

分析結果から、自社の強みや弱み、自社の置かれている環境や市場の状況など多面的な情報が得られましたね。
それを元に、
 ・自社の強みをさらに伸ばし、弱みを克服する
 ・自社を取り巻く環境の機会を捉え、脅威を回避する
という事を前提としつつ、将来どのような企業となりたいかということについて目標を立ててみましょう。

「売り上げを~%向上させる」とか「新規顧客を~件獲得し、顧客満足度の向上を図る」、「製品の不良率を~%削減し、クレームを~件以下にする」などなど、様々な目標を立てることができるでしょう。

自社の直面している困難や、安定した収益の中での次の「一手」など、何らかの「想い」は皆さんお持ちでしょう。
分析結果を元に自社のあるべき姿を明確に定義してみましょう。

中小企業診断士は中小企業の経営者の経営計画策定のお手伝いができます。
商工会議所や、中小企業診断士の支援も受けつつ、自社のあるべき姿を改めて考えてみましょう。

経営計画は自社の売れる仕組み・自社の経営理念・ビジョンを込めた大切なものです。
また計画は書くだけでなく、実際に実行を管理するための基礎となる資料になりますし、従業員などとの意識の共有のためにも重要な役割を果たします。
しっかりした経営計画を立てることは他社との競争にも重要な役割を持つものです。

経営計画策定のための現状分析

経営計画策定のため、現状を分析する

 経営計画の策定に際して、自社の経営状況や環境についての現状を分析するということについてお話します。何らかの計画を立てて、経営を「改善」したいと考えている以上は、現時点での自社の状況というものを正しく認識しておく必要があります。現状の立ち位置を正しく認識してこそ、経営革新・経営改善のための方策を誤らず立てることができるようになるわけです。

 現状を分析といっても簡単なことではありません。自社および自社を取り巻く環境も含めて多面的にさまざまな角度から現状を把握しまとめていく必要があります。
・自社の組織の状況
・自社の決算数値の状況
・取引先との関係
・競合の状況
・市場の状況
・技術動向
・法令の状況
等ざっとあげただけでも様々な切り口がありますね。分析ばかりに時間をかけて良いわけではありませんが、多面的な視点で様々な情報を見つめる事は戦略策定にもとても重要です。

自社の経営環境の調査方法

 自社の状況や環境を分析するための情報はどのように収集されるでしょうか。自社の情報ですと、決算数値の収集や社員アンケート、営業記録の収集といった形で、収集すべき内容によって方法も変わってきますね。

 【内部環境(自社)の情報】
  決算数値、社員アンケート、業務フロー、売り上げ情報、仕入れ情報、営業日報、クレーム記録、社内ルール  等
 【外部環境(他社、市場など)の情報】
  顧客・取引先アンケート、白書や政府刊行物・書籍での情報、競合他社のホームページや動向、業界紙、市場調査 等

 様々な情報源から現状分析に必要な情報をピックアップしてくることが大切になりますね。

現状を分析するための手法

 収集した情報を元に分析を進めることになります。現状分析には様々な方法がありますが、一例として、3C分析やSWOT分析を紹介します。

3C分析
 3Cとは、「市場(customer)」「競合(competitor)」「自社(company)」の頭文字をとったものです。この3つの切り口から分析をする手法です。外部の視点(市場、競合)と内部の視点(自社)の広い視点からキーとなる競争戦略を決定していくことになります。

SWOT分析
SWOTとは、自社の強み (Strengths)と弱み (Weaknesses)、外部環境からみた自社の機会 (Opportunities)と脅威 (Threats)を分析する手法で、それぞれの頭文字をとった名前になっています。この分析で自社の強みをどのように活かすか、弱みをどのように克服するか、機会をどのようにつかんでいくか、脅威をどのように回避するのかという視点で戦略策定に活かしていきます。

 様々な分析の手法がありますが、共通しているのは幅広い視点で自社を捉えて、多面的に改善策を検討していくという部分になります。自社の業務を遂行しながらこのような分析をするのはなかなか難しいかも知れません。「分析なんて難しいな~」と思われるような場合は、中小企業診断士や外部コンサルタントがお手伝いできることもあります。一度相談してみるのもお勧めです。

中小企業の経営計画策定に必要なこと

経営計画策定の内訳

 経営革新・経営改善の為の経営計画を策定するに当たって、まず先日は経営理念の策定について書きました。経営理念に掲げられた自社にとっての「根本の考えかた」は以後の計画や事業活動において常に関連付けられることになります。次に今後の経営計画を考え形にしていくことになるわけですが、どのような事が必要になってくるでしょうか。単純化すると下記のような流れになります。

   ・現状についての調査をする
   ・事業戦略・方針を策定する
   ・目標実現のための行動計画策定
   ・計画の実行管理

おおよそ以上のような要素について計画していくことになるでしょう。それぞれの要素については順番は前後してもかまわないでしょう。たとえば、現状を調査する前に、「やりたいこと」があったとします。その場合は、「方針を決定」→「現状分析を行い目標と現状のギャップをまとめる」→「ギャップを埋めるための行動計画を策定」→「実行についての管理を行う」という流れでもかまわないわけです。
大事なことは自社の現状を正しく分析に、目標とのギャップを認識し、そのギャップを埋めるための行動計画を策定していけばよいということになります。

そもそも、なぜ経営計画が必要なのか。
 ・自社の現状を知り、何が必要であるかを事前に考える機会を得られる。
 ・自社の「儲けの仕組み」を明確にし、何に力を入れるのかを検討することができる
  つまり、自社の経営資源をどのように活用するのが有効かを決めることができる。
 ・目標に向かって、何が必要かを経営者のみならず、社員に周知し、同じ方向に向かうことができる
 ・社外の利害関係者(銀行など)に、自社の戦略の妥当性を説明することができる
 ・事前にある程度のリスクを想定することができ、対策を練ることもできる
 ・もし目標に到達できない場合も、何がどのようにできていないかを検討する有益な材料となる
など、様々な効果があります。
何の戦略や計画もなく、事業を続けても、それは日々の業務をこなしているだけというものになってしまいます。
景気が良かったり、たまたま優秀な社員が頑張れば業績も上がるかもしれませんが、それはどちらかというと偶然の産物です。自社の経営力を上げるためには、儲けの仕組みを自らが作っていく行動が必要になってきますね。

実際に形にしていくのは非常に手間もかかりますし、難しいこともあるでしょう。しかし厳しい経営環境を乗り越えさらに業績を上げていくためには、目指すべき目標と現状の問題など正しく認識していきたいものです。今まで本格的に計画策定をしたことがなく何から初めて良いかわからないという方も多いかと思います。そのような場合は地域の商工会議所や中小企業診断士・税理士などに相談していただければよいでしょう。皆さんの経営革新・経営改善の力になれるはずです。

経営理念を考える

他社の経営理念を見てみる

 中小企業においても経営理念を明文化することは大切なことです。しかしながら、将来にわたって多くの人と共有できるような経営理念を作ると言うのはなかなか難しいですね。
 では他社ではどのような経営理念を掲げているでしょうか?

パナソニックの経営理念
 産業人タルノ本分ニ徹シ
 社会生活ノ改善ト向上ヲ図リ
 世界文化ノ進展ニ寄与センコトヲ期ス

ワタミの経営理念(グループスローガン)
 地球上で一番たくさんの“ありがとう”を集めるグループになろう

日本公文教育研究会の経営理念
 われわれは
 個々の人間に与えられている
 可能性を発見し
 その能力を最大限に伸ばすことにより
 健全にして有能な人材の育成をはかり
 地球社会に貢献する

自社の経営理念を考える

 一例を挙げましたが、いかがでしょうか?。それぞれの企業で素晴らしい経営理念を掲げていますね。
言葉の一つ一つは大げさなものではありません。しかしながら経営者の「想い」のようなものを感じることができるのではないでしょうか。表現の仕方も様々です。

 大切なことは、企業として「こうありたい」と思う気持ちを言葉に表したらどうなるか、と言うことであると思います。経営理念が浸透していけば従業員も自然とその理念に沿った行動や意思決定が出来るようになるでしょう。上記に例を挙げた企業も、経営理念に掲げられた内容と企業のイメージに遊離はないように思いませんか?これは企業理念が浸透しているからであると考えられます。
 大げさな言葉やかっこいい言葉というのではない経営者としての強いイメージを「素直な言葉」に置き換えてみる。そういうところからよき経営理念が生まれてくるかもしれません。様々な業種の経営理念を見て、どのように感じるかなど参考にしてみるのもよいかもしれませんね。
 将来どのような企業にしていきたいですか?どのような目標や理想を持っていますか?改めてそれを考えてみませんか。

中小企業の経営理念

経営理念とは

 会社に明文化された経営理念はあるでしょうか?ないという中小企業の方も多いかもしれませんね。よくよく聞いてみると明文化していなくても会社に対しての強い「想い」は持っておられることが多いですね。
 では経営理念とはなんでしょうか?なんとなくはわかりますが、意外とあいまいになっている言葉かも知れません。
 経営理念とは「経営をする上での、企業がこうありたいと思う根本的な考え方や価値観」と考えることができます。
 「根本的」な考えということが大切です。経営者と社員が根本的な部分での考え方や価値観を共有できていないとしたらどうでしょうか?経営者や社員の皆さんが大きな選択に迫られた時や困難に直面したときに何をよりどころとして決断をするでしょうか?普段の何気ない業務からいざと言うときの決断まで、企業理念はその行動指針となるものです。

経営理念を明文化する

 一人であれば、明文化していなくても理念は心の中に持つことができるでしょう。しかしながら、複数の人が集まった場合には、根本となる考え方は何らかの形で共有したほうがよいでしょう。そのために経営理念を明文化するのです。

 明文化すると言っても大げさに考える必要はありません。企業として「こうありたい」と思う姿を言葉にするわけです。「~に貢献したい」「~の企業になる」など普段から考える想いを言葉にします。全社員で共有すべき企業像を今一度整理してみましょう。

 企業理念は、企業の方針や経営計画の策定を行う際の基本的な考え方ともなります。経営革新支援を受ける際や、将来の資金調達を行う際のステークホルダーへの説明の際にもその理念は活きてくるでしょう。
 企業理念を策定するだけでなくそれを普段から意識して事業の様々な側面に反映し、経営改善に役立てましょう。

中小企業の経営革新計画

中小企業新事業活動促進法

 中小企業を支援する法律として、中小企業新事業活動促進法があります。これは、中小企業経営革新支援法、中小企業の創造的事業活動の促進に関する臨時措置法、新事業創出促進法の3法律を整理統合して、さらに、「新連携」の支援を加えて体系化した法律です。この法律で中小企業の創業や、事業活動の促進(経営革新)、連携の支援を行います。
 この法律にて中小企業の経営革新計画が承認されれば様々な支援を受けることができます。

経営革新とは

 ここでいう経営革新とはなんでしょうか?
それは自社でこれまで取り組んでいなかった以下のような事業活動をいいます。
   ・新商品の開発や生産
   ・新役務(サービス)の開発や提供
   ・商品の新たな生産方式や販売方式の導入
   ・役務(サービス)の新たな提供方法の導入その他の新たな事業活動
上記のような新たな事業活動により、付加価値額や経常利益が一定以上伸びる計画が求められます。新たな事業活動とは、世界初や日本初のような極めて独自性のある活動というわけではなく、「自社にとって」新しい活動で、付加価値や経常利益が伸ばせ、経営改善ができる事業であるということがポイントです。

指標の改善については、付加価値額もしくは従業員一人当たりの付加価値額が年率平均3%以上伸び、経常利益は年率平均1%以上伸びる計画にする必要があります。

経営革新計画承認後の支援

 計画の承認を得られれば、信用保証の特例や課税の特例といった様々な支援を得られます。とはいえ、承認により、必ず全ての支援を得られるわけではなく、それぞれの支援については別々に承認を受ける必要はあります。支援を受けるためにもしっかりした計画作りをしたいですね。

大切なこと

 革新計画を作成することで最も大切なことは、自社の業務全体を見直し、あるべき姿を再定義し、改善すべきことは改善するという一連の活動そのものにあります。しっかりとした計画を立て、目標とする状態に一歩一歩前進できる足がかりを作る。その先に承認があり、支援があります。

計画の立案や申請には色々と難しいこともあります。中小企業診断士などのサポートを受けつつ自社の経営改善を目指していきましょう。

リンク:中小企業庁-経営サポート「経営革新支援」

中小企業の経営計画

経営計画を立てる

日航の経営再建の問題が大詰めを迎えていますね。
おそらく多額の公的資金の注入も行われるでしょう。大企業であるため、社会への影響も考えるといたしかたない部分もあるでしょうね。

中小企業を考えると、このようにはいきません。規模が小さいゆえに、倒産しそうになっても公的資金の注入をしてもらえるわけではありません。やはり普段からしっかりした経営を続けることが大切になります。
あなたの会社では経営計画を策定していますか?

「計画は頭の中にある」「そんなもの作らなくても売上は上がっている」「作っている暇がない」などと考えることも多いかもしれませんね。しかししっかりとした経営を行うためにはしっかりとした計画や目標を立てることが大切です。

経営計画を立てるメリット

経営計画を立てる利点は何でしょうか。

・会社のあるべき姿、進むべき方向を明確にできる
・目標を達成するための、組織としての体制を見直すことができる
・現状を把握することで会社が抱える問題を明確にでき、解決を図ることができる
・目標、行動指針を社員と共有することでモチベーションの向上を期待できる
・資金繰りの見通しが立ち、問題がある場合に素早く対処できる
・銀行や行政の支援を受ける際に信頼すべき情報となる

以上のようなメリットが考えられるでしょう。

国も中小企業には様々な支援策を打ち出しています。そのような支援を受けるためにも経営計画が必要になることが多くあります。どのような目標・計画を持って、どのように行動したいのか、そのためにどのような支援が必要なのかを明確に説明できることは関係者との信頼関係を構築するためにも大切です。

今後の経営改善・経営革新ために経営計画の策定をしてみませんか?
中所企業診断士は、中小企業の経営者様の経営計画策定のお手伝いもできます。相談するのも良い選択です。

これから経営計画に関する記事を順次まとめていきたいと考えております。