撤退も戦略の一つ

NECのスマホ撤退の判断

撤退というのは、経営判断の中で最も難しいもののひとつかもしれません。これは中小企業の経営においても同様です。むしろ事業の柱が少ない中小企業にとっては大企業より難しい判断になるかもしれません。

そんな中、NECがスマホ事業を撤退し、要員を社会インフラ事業などに配転すると発表したそうです。

スマホについてはアップルやサムソンの躍進で競争は極めて激しく国内メーカーの苦戦が続いていました。その中でドコモのいわゆる「ツートップ戦略」によりNECは同じ土俵にすら立てなくなったわけで、事業の継続は困難な状況であったことでしょう。

このような状態になれば、事業継続のためにターゲットを絞って付加価値の高い製品を投入したり、販売戦略を練り直したりして事態を打開するか、「撤退」を実行するか意思決定が必要です。

このような状況の中で撤退するというのはなにもネガティブな意味だけを持つものではありません。自社の有望な事業や商品などに資源を集中できるというメリットがあるわけです。採算の取れない事業にしがみつくよりも良い結果を生む可能性もありますね。

NECはインフラ事業に人材を移すという判断をするとともに、既存の携帯電話事業は継続することになっていますので、今後の戦略次第では収益は改善できるでしょうね。

 

中小企業経営においても時として撤退という判断を下さないといけない場合があります。経営資源の乏しい中小零細企業では苦しい判断になるでしょう。そのため、中小企業の経営では、

  • 撤退という事態に陥らない戦略の策定と管理
  • 収益管理と、事業の柱の育成
  • 撤退の判断基準の明確化

ということがある意味大企業以上に重要になります。

また、多くの場合「撤退」という判断が迫られるのはかなり事態が悪化した状態であることがあります。つまり改善・改革の取り組みが遅すぎる場合があるのです。

「もう少し我慢すれば風が変わる」とか

「景気がもう少しで上向く」

といった風に、外部の環境任せになっていませんか?

経営状況に少しでも変化があれば、それをとらえて改善するのが経営者のお仕事です。そのような視点から自社の経営を一度チェックされてはいかがでしょうか?

当事務所の経営診断サービスや小冊子もご活用くださいね。

 

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