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中小企業の人材に話題を中心にまとめます

悪ふざけ店員・社員にどう対処するか

悪ふざけ店員(社員)がなぜ出てくるか

最近ニュースをにぎわしている悪ふざけ店員は経営者から見るととても深刻な問題かもしれません。店内で行った悪ふざけの様子をSNSなどに投稿しその結果として営業が停止されるなどの問題が実際に起こっています。

結果としては経営サイドでもこのようなことが起きないように対策を講じておくべきだったのかもしれませんが、いわゆる「普通の感覚」でいると、このような状態そのものを事前に想像して対処しておくことは非常に難しいのではないでしょうか。だからといって何もしなくて良いわけでなく、これを教訓に改めて経営を見直すことが大切です。

では、なぜこのような店員や社員が出てくるのかということについては、改善するうえである程度の仮説を立てておく必要があります。これにはいろいろ意見があるかもしれませんが、私は、その原因の一つとして、このような悪ふざけをする人にとって、今回のような行為が「得である」という意識があると考えています。

もちろん実際に、得であるというのではありません。本人にとってそのような行為をする「動機(得と思う何か)」があり、その動機を押しとどめるほどの理由が「その瞬間に」なかったということです。

本来であれば、そのような行為により、顧客が不快な思いをするとか、お店のイメージが悪くなるとか、清掃などに余計なコストがかかったり、自主的な営業停止による損害など様々な問題があることは明確なのですが、本人の心の中でそのような事が思い浮かばなかった以上は通常考えられない行動も押しとどめることはできません。

それでは悪ふざけをする理由がどこにあるのか?というと今回の場合は、SNSなどで仲間内から反応があったり、「うけたり」することです。この程度の動機だったとしてもそれを押しとどめる理由を思い浮かべることができなければ、どうにもなりませんね。

道徳的な側面もありますが、このような仮説をもとに考えていくと経営改善の視点が生まれてきます。

 

社員育成には時間がかかる。すぐにでも考えましょう

このような問題に対処するための対策としては、ともかく社員教育と育成を考えないといけないでしょう。「軽い気持ち」や「悪ふざけ」といった本人からしたらちょっとした「動機」を押しとどめる「価値観」や「考え方」を身に付けてもらう必要があるのです。

社員・店員が持つべき基本的な価値観が浸透しているか(浸透させるための対策が取れているかどうか)をチェックしてみましょう。

 

  • 自社の経営理念が基本的な価値観として浸透しているか
  • お客様を大切にすることが普段の業務の中で浸透しているか
  • お客様の安全・安心を追求する姿勢があるか
  • 上司による言行不一致がまかり通っていないか
  • お客様や仕事を大切にすることが評価されているか
  • お客様のプライバシーや情報など不用意に扱わない教育ができているか
  • あいさつや感謝が業務で浸透・徹底されているか
  • 商品・サービス毀損による損害の影響が理解できるか
  • 業務の目的や使命が理解されているか

その他にもいろいろ出てくるかもしれませんが、上記のような基本的な価値観やルールが頭の中にあれば、本人にとって「ちょっとした行為」を押しとどめるのに十分な「判断基準」を植え付けることは可能です。

このような側面での教育や社員育成は将来における経営ビジョンや戦略の実現にとっても必要な取り組みであります。人事制度面からも改善ができる可能性があります。

最近の若い者は。。。と嘆く前に経営改善を考えて見ましょう。

経営相談やお悩みなど気軽にご相談くださいね。

ブラック企業といわれないか? 中小企業経営の人材管理

厚生労働省による4000社への立ち入り

「ブラック企業」という言葉が最近ではよく使われています。この言葉は労働法やそのほかの法律に抵触、あるいは法律の精神を無視したグレーゾーンで意図的に従業員を働かせるような企業のことで、一言でいうと、労働者側から見て、入社を勧められない企業ということになります。

厚生労働省がそのような疑いのある企業に立ち入るというニュースが出ておりましたが、社会問題にもなっている人材管理・雇用管理の在り方を改めて考えさせられます。

 

中小企業も注意!ブラック企業と思われていないか

中小企業も「ブラック企業」と呼ばれるようになると経営上様々な悪影響が出てきます。単純に考えても優秀な人材も含めた離職率が上昇し、新たな人材の雇用が難しくなるということがあるでしょう。そして結果として企業収益が悪化し、さらに優秀な人材がやめていくという悪循環に陥る可能性があります。また苦しんだ従業員の訴えなどによるリスク、労基署の立ち入りなどプラス面は全くといってよいほどありません。

会社の基本的な原則として、かかわる人々(顧客、パートナー、従業員やその家族)が良い意味で「うれしい」と思えることが必要であり、その結果として収益が伸びていく必要があります。

ブラック企業と呼ばれるのは、その基本的な部分が抜け落ちていることになります。

 

こんなことが起きていませんか?ブラック企業予備軍チェック

ブラック企業と呼ばれる可能性がないか、自身で把握し経営改善を進める必要があります。

自社の経営が以下のような状況に陥っていないかチェックしてみましょう。

  • 長時間労働が常態化している
  • 残業代が未払い、サービス残業が存在している
  • 有給休暇など法律で認められた労働者の権利を制限している
  • 労働者の離職率が高い
  • 上層部の意識が低く、従業員を支配している
  • 社員やパート・アルバイトは「替えが効く」と思っている
  • 従業員は「コスト」だという意識がある
  • ノルマ管理が従業員を追い詰めている(ノルマ管理の誤った運用)
  • 給与・賞与が低い。それを当たり前と思っている
  • 労働法や関連法律を「自社の都合が良いように解釈」する傾向がある

これらの条件に少しでもあてはまれば経営改善の必要があります。上記の条件は経営者や管理者が「自己採点」でOKとしただけでは意味がありません。従業員側は上記のように思っていれば、経営状況や会社の風土として非常に良くない状態に陥っていると判断したほうが良いでしょう。

ただし、ここでブラック企業といっているのは曖昧な意見や個人の感情で断ずるようなレベルではないく、「適法かどうか」「一般的な水準から逸脱していないか」という視点も必要です。ブラック企業というのは言葉が先行しており、現在のところ明確な線引きがないわけですので、過剰反応をすべきではないということは一言付け加えておきます。

 

従業員はコストではない

従業員がやめてもすぐに他の人を雇えば替えが効くという意識であったり、従業員に支払う給与を低く抑えようという意識は、経営上危険です。

会社のコスト削減を考える際も、収益が相当程度悪化してから社員の給与カットや人員削減に簡単に手を出す会社があります。このような考え方は本末転倒であり、企業収益の悪化だけを引き起こすケースが多いのです。(もちろん状況によっては必要なケースもあります)。

従業員が安心して働け、適切な給与を支払える状況というのは中小企業の収益構造改善を実現するために必要な要素の一つです。決してコストと認識することなく、従業員の力でさらに多くの収益を上げる方法に頭をひねるべきなのです。考え方が真逆になってしまわないように注意が必要です。

 

ブラック企業にならない努力は経営力向上・収益向上の取り組みです

突き詰めていくと適切な労働環境を実現するための取り組みは企業の収益や経営力を向上させる取り組みと密接に関連していくものであり、ぜひとも取り組んでいただきたい問題です。

コスト削減も考え方を誤ってはいけません。考え方を間違わず取り組めば利益の源泉にもなるでしょう。

是非経営改善のきっかけとして取り組みを進めてください。

コスト削減の基本的な考え方として、当事務所では無料で小冊子を提供しております。

事務所のホームページからコスト削減の小冊子のお申し込みを是非してみてくださいね。

また、経営状況の改善のための経営診断も推進しております。簡易ではありますが、無料での診断も行っておりますので、ぜひご活用ください。(詳しくは事務所ホームページをご覧ください)

 

 

 

アベノミクスの中での雇用環境

中小企業の事業継続と雇用の維持

アベノミクスによって、景気の持ち直しも感じられることが増えていますが、個人の所得が増えないと最終的な景気回復にはつながりません。

直近の雇用環境としては、

  • 完全失業率が3%台に改善
  • 夏の賞与が増加したことにより、給与総額は増加
  • ただし所定内給与は減少傾向が続いている
  • 今後の正規雇用増加策の一つとして「限定正社員」の推進が打ち出されている

といったことが挙げられます。

失業率が低下したことはまずは良いことですね。その中で企業も業績を回復してきており、賞与も増額されています。しかしながら所定内給与が増えていないため、所得改善については今後の課題になるでしょう。また全体としては給与は増えているかもしれませんが、中小企業への影響はまだ少ないため、この点も注視しないといけませんね。

 

中小企業経営に目を向けると、人件費の増加は経営に重くのしかかってくることは現実としてあります。しかしながら、物価も上昇していくなかで、所得が増えないという状況が続いていくことは従業員の精神をすり減らしてしまうことにもなります。何とかこれを乗り越える方法を考えないといけませんね。

単純に考えても、従業員給与の原資となるものは企業の収益であります。まずは、企業収益を伸ばす必要があるということを経営者及び従業員の間での共通認識として共有することが必要です。次に収益増加策として、「付加価値の向上」「営業の強化」の取り組みを強化し、実際に管理していく必要があります。効果が出るのは時間がかかるかもしれませんが、すぐにでも対策を進める必要があります。

気を付けないといけないのは、

  • 収益改善が景気頼みになってはいけない
  • コスト削減の名目で簡単に人件費に手を付けてはいけない

ということが挙げられます。

景気頼みの経営では中小企業の経営改善効果はなかなか波及してきません。世間一般の動向を超える努力の先にさらなる収益増加があるということは認識が必要です。またコスト削減については調達や運用の改善・効率化が本筋であって、人件費に簡単に手を付けるべきではありません。

人件費の最適化についても手順というものがあります。人員削減や給与削減は「経営危機」のメッセージを発信することになり間違えると非常に危険です。

 

いずれにしても中小企業が雇用環境を改善するには、企業収益との両輪をそろえて考える必要があります。この視点が抜けてしまうととても危険ですね。

 

収益構造改善の課題などご相談ください。

有給取得率の現状と中小企業の経営改善

有給取得状況はいかがですか?

東洋経済オンラインにて有給休暇取得率トップ300というものが公開されていましたね。

厚生労働省の調査では有給消化率の平均は49.3%、それに対して今回の調査では平均で51%のようで、調査方法や範囲が異なると思いますが、似たような結果になっています。

業種的には製造業などは比較的消化率が高く小売業などは低い結果になっています。

比較的規模の大きな企業でこのくらいですが、中小企業ではどうでしょうか?会社によっては有給も自由に取れない状況になっているというのはあり得ることですね。

 

なぜ有給休暇が取得できないか

いま取得率が低いから、今期から100%取得できるようにする!と言っても実際にはそんな簡単にできません。

休暇が取れない原因を探っていきそれに対する対応をする必要があります。有給に限らずいろいろな経営改善をする上で必要な姿勢です。

有給休暇が取りにくい原因がどこにあるでしょうか?

・日々の業務がギリギリで回っている

・クレーム・トラブル対応が多く、休暇が取りにくい

・急な仕事が入る場合が多く、休日出勤も多い

など業務面の問題もあるかもしれません。

また、

・休みを取りにくいふんいきがある。

といった形で、企業文化に問題がある場合もあるかもしれません。

 

自社の現状を正しく把握し、対応方法を考えてみましょう。

 

有給が取れる状態というのは、

  • 通常の休暇も取れている
  • 過剰な残業がない状態
  • 業務がコントロールされている
  • トラブルなども柔軟に対応できる
  • 業務の無駄、ムラを削減する取り組みを続けている
  • 休みを取ることに協力的な文化

などが揃うことで少しずつ改善していくものです。

そして、上記の状態というのは企業として効率も高く収益性も高くなっている可能性があります。

目指すべき目標としても良い形だと考える方が良いでしょう。

有給を増やすことで、業績が悪くなると考えているのであれば、それは全くの逆であると認識することから始めましょう。有給を取れるほどに業務が効率化し、付加価値の高い仕事ができるようになりたいと考え経営改善することで経営力は向上するものです。

 

とはいえ、日々の業務に振り回され、業績も悪いという経営者様も多いでしょう。

経営改善は時間のかかる取り組みです。小さな改善から始めましょう。

いつでも経営相談承ります。

 

賃金上昇の中の人材育成 中小企業の人材戦略

上がり続けるバイトの時給

そんな見出しの記事が日経のサイトに出ておりました。飲食店などの新規開店が続き、アルバイトの募集が増えている中、時給の平均も上昇傾向にあるとのことです。

また、顧客の目が厳しくなる中、接客力のある有能な人材を雇いたいという会社側の思惑もあるのかもしれません。

また指摘されていることとして、

  • 最近の若者はお金より楽な仕事を選ぶ
  • 接客に向かない人が増えている

などと書かれております。競争が激しい中、人材育成を位置からやっている余裕はないので、最初に厳選して採用しないといけないと論じられております。

 

さて、中小企業や個人事業などの経営に当てはめて考えてみるといかがでしょうか。

このような企業やお店での制約事項として、

  • 大企業のようなネームバリューがないので人材が集まりにくい
  • 雇用の際に簡単に高い給料を払えるほどの資金力はない

ということはないでしょうか?記事に指摘されている事項は間違いではないですが、どちらかというと大企業だから言える理論だとも感じます。現実問題として中小企業や個人事業では上記のような制約事項があると考えます。ではどうするか?

 

余裕がなくても人材育成はテーマとしてあった方が良い

当たり前ですが、経営資源の限られる中小企業や個人事業においては、ネームバリュー・資金力・人材育成の体制といったものについて十分な余裕がないのが実情であります。でも対応しないといけないという状況にあるとすればどうすればよいでしょうか?

ネームバリューや資金力というのは、経営力が強くなり、収益をしっかりあげられ、顧客の支持を得られるようになった会社やお店についてくるものであります。つまり時間軸としては、後の方になると考えられるのです。そこで、一つの考え方として人材育成を考えるという視点が出てきます。余裕はないよと言われるかもしれませんが、業務の見直しを通じて人のスキルを上げその結果として収益を上げるという戦略を考えていく中で実現可能な落としどころは作れるはずです。いきなり裏付けのない高給を提示することはできないはずですね。

 

記事に書かれていたように、きつい仕事を避ける人が増えている傾向があるのであれば、自社も業務を効率化し、仕事をわかりやすくそれでいてやりがいのある形に変化させる必要があります。

本来は、そのような考え方を推し進めれば、業務の効率化によりコスト削減も実現できる可能性があるでしょう。人材育成=手間・コストととらえるよりかは経営改善とコスト削減のきっかけにもなるととらえた方が前向きに取り組めるのではないでしょうか。

 

小さな会社には様々な制約事項があります。それを取り除き(あるいは避けて)いかに目的を達成するかは経営改善の重要な視点であります。

 

金もない、ブランドもない、暇もないと、ないないずくめで嘆くよりもどこかに突破口を見つけて経営改善をするという意識を持ってみましょう。

経営相談などもいつでも承りますので、気軽にご相談ください。

 

中小企業の高齢者活用(雇用延長義務化に向けて)

雇用延長の義務化の流れの中で中小企業戦略を考える

2013年度の4月より、60歳定年延長の法律も変わり、希望する人に対しては、65歳まで定年を延長する必要が出てきます。

細かな制度詳細などは厚生労働省などの情報が詳しいので割愛しますが、流れとしては4月より希望者に雇用の継続を行う義務が生じるので、それに対応した人材活用を考えないといけませんね。

中小企業の場合、高齢者は多くのノウハウを持っています。それを考えた場合、引き続き戦力として仕事に貢献していただけるのは「機会」ととらえることができます。

期待される取り組みは、

・ノウハウ、経験を活用したさらなる業績への寄与

・ノウハウの若年者への承継と人材育成

といった部分であります。

勤務条件や報酬形態なども勘案して、引き続き何を期待するのか?ということを明確に定義して活躍していただく必要があります。

雇用の延長が単なる人件費の増加要因と考えるのではなく、残ってともに仕事をする上で共通のビジョンを持ち責任も持ち頑張るという組織体制が必要です。

戦略と整合性を持つ中で、今後はより「成果配分」という考え方が浸透してくると考えられます。

 

いずれにしても中小企業にとって、人材の育成やノウハウの承継は大きな課題であったわけですので、経験豊富な人材のノウハウを活用・伝承できるようにしたいものですね。

 

 

中小企業の働きやすさと経営戦略

若者応援企業の認定が始まります

厚生労働省が、若者の採用と育成に積極的な中小企業の認定を始めるそうです。

大企業志向・安定志向が強い中、魅力ある中小企業への就業を促進する効果が期待されますね。

認定ですので、その条件があるわけですが、

  • 入社3年後離職率
  • 有給休暇の取得実績
  • 育児休業の取得実績
  • 教育訓練の内容

などの公表が求められています。

このような指標を明確に公表できることは、「働きやすい」環境であることをアピールできる具体的な手段であります。

最近では、ネットなどで、過酷な労働環境などを「ブラック企業」として口コミで書かれるようなケースも増えています。離職率や有給休暇取得などを公表できる組織を作るという側面からも経営改善のきっかけとすることができるでしょう。

また、これらの内容は指標化も可能であり、経営計画に組み込んでいくことも可能なものであります。その点からも良い意味で活用を検討して良いと思います。

経営戦略との整合性も考えて見ましょう

このような就業環境を考えるときに、就業や労務のことだけを考えてしまうと、なかなか手が出ないかもしれません。大切なことは、このような経営改善を進めることで、中小企業の財務構造と収益構造が最終的にプラスになることに寄与できるかどうかです。

法律を守るというのは大前提ですが、それとプラスして労働環境を改善し、働く意欲を増進することで売上アップにつなげるというストーリーを描けることが大切です。つまり経営戦略とリンクして考えることで、収益改善と人材・組織の育成の両方が成り立つのです。

・売上向上 ← 顧客の増加が必要 ← 営業の強化、商品開発の必要性 ← 従業員スキルの増大の必要性 ← 就業環境の効率性と教育の充実

など、一連の流れの中で、人と業務・商品・顧客、そして売り上げは本来繋がっているはずです。その繋がりを形に表し、行動レベルに落とし込んでいくことが経営戦略というものなのです。

 

このように見ると、労働環境、収益構造というのは関連付けて考えることができるようになるはずですね。中小企業の経営改善・経営力向上を考えるきっかけとしていきたいものです。

 

 

人件費率と労働分配率

賃金があげられる経営

関連コラム: 当事務所HPコラム「人件費(賃金)を上げるための経営力」

デフレ脱却、円安、株高とここ何年も苦しんできた日本の経済が少し息を吹き返す兆しが見えてきました。その中で、従業員の賃金を上げるという要請が出てきています。判断は個別の企業が行うことになりますが、景気の回復局面に入っても、個人の所得が増えなければ、消費も増えないし、景気も本当の意味で回復しないことは明白ですので、できれば個人所得も増えていく方が良いでしょう。それは従業員だけでなく本来は経営者も願っていることと思います。

しかし、中小企業の経営を考えた時に、赤字傾向であったり取引先の減少など売上の減少が続いている事も多いでしょう。そのような会社では、賃金増加はまさに「他人事」というのが実情かもしれません。

とはいえ、個人の賃金がいつまでも現状維持もしくは減少が続いていいわけではありません。経営悪化→個人所得減少→モチベーションの低下→さらなる経営悪化のスパイラルに入ってしまっては目も当てられませんね。

ですので、将来的には、個人所得をアップさせるために目標設定を行うことは必要であると考えます。

例えば、人件費率は現在どうなっているでしょうか?小売業や卸売業は低いかもしれませんし、サービス業は高い傾向があるでしょう。その中で、自社の人件費率を経営を圧迫するほど上げずに個人所得を増やすにはどうすればよいでしょうか?

  • 売上をアップさせる
  • コストを削減し、利益を増加させる

という取り組みが必要なのはすぐにわかります。

現状の財務的な構造を踏まえて、人件費率の目標を設定し、売上や利益の収益構造のあるべき形を探っていくと目指すべき方向が見えてきます。

そのうえで、どのように営業するか、どのように商品・サービスのマーケティングを行うかという戦略に落とし込んでいくというのも一つの経営改善の視点です。

 

もう一つ「労働分配率」もチェックしてみたいところです。

労働分配率=人件費 ÷ 付加価値

です。会社の生み出す付加価値に対する人件費の割合のことですが、付加価値を高めることで、相対的に人件費への配分を厚くするという考え方もできます。

 

会社の生み出す売上・利益を増やすことができれば従業員に還元する。

会社の生み出す付加価値を増やすことができれば、従業員に還元する。

これら二つは当たり前の取り組みでもあります。では経営で考えるべきことはやはり、売上・利益・付加価値の向上策となり、その戦略を従業員も含めて構築することが必要になります。「戦略の見える化」ともいえる取り組みであります。

 

小冊子もお役立てください!

所得の増加は会社にとっても働く人にとっても必要です。そのために、会社の経営を良くする必要があります。そのように考えれば、経営力向上は経営者だけでなく従業員にも必要な取り組みであることがわかるはずです。全員参加で経営戦略を構築していくという取り組みも必要になるでしょう。

当事務所では、戦略策定に役立つ小冊子も限定でお配りしておりますので、お役立ていただきたいと考えております

 

 

 

労務を経営のリスクにしないように

人を辞めさせるためにエネルギーを使うより収益を上げる方策に力を入れる

大手企業では、「追い出し部屋」なるものが存在しているとかいないとかという記事が出ています。人員削減を進める会社が不要と判断した人員を集めて退職を迫ってくるらしい、ということなのですが、どのような事情であれ、これはNGですね。

業績不振から人件費の削減が必要になるケースは確かにあります。そのために早期退職などを求めていく場合もありますが、違法行為すれすれのグレーな行為は、会社の理念や根幹、残った社員の心まで傷つける行為でもありますね。なんとしても下げないといけません。

実態も報道されている通り、もしくはそれに近いのであれば、一部の会社は内心、社員をやめさせるという心づもりでそういう場(あるいは部署)を作り、やめさせるように勧告しているのかもしれません。

個人的には、そのような行為自体が、売上にも利益にも貢献しない無駄な行為であると思います。経営上は、収益を獲得するためにすべての資源や能力を投入しないといけません。このような行為は会社の利益に中長期的に反するばかりか、会社に不要な労務リスクまでしょい込んでしまうことになります。こちらの方が経営上は大きなリスクになると考えられますが、組織にはそれが「見えない」場合があります。今回の場合は「人を減らす」という命令をただただ推進していたのかもしれませんが。

 

人をやめさせるために時間や労力を使うより、売上や利益を獲得するために時間を使う。当たり前のことができるようになりたいものですね。

中小企業の人事給与体系 – 賃金カーブをどうするか

定年延長にともない、賃金カーブ見直しか?

経団連の「経営労働政策委員会報告」では、改正高年齢者雇用安定法の成立に対応して、労働者の賃金のカーブを見直す必要があると報告しているようです。

人件費は、企業のコストとして最も大きなものであるため、労使ともに関心が強いのではないでしょうか。

高齢社会を迎えるに当たり、定年延長の流れは今後も進んでいくものと考えられます。

その中で、定年延長を行うことで、単純に費用の総額だけが増える状態になれば、経営は立ちいかなくなってしまいます。

そのような状況での議論ではありますが、労働者側からすると、賃金抑制につながるのではないかと反対が出てくることは容易に想像できます。

 

人事給与制度や処遇も戦略的に

中小企業においても、人事給与制度や社員評価は大きな課題です。ざっくりとした給与体系だけでは、人材の流出につながりません。

  • 納得感と達成感のある人事給与制度
  • 自身と会社の成長につながる評価制度
  • 将来への安心と夢を持てること
  • 会社のビジョン・戦略と社員の行動のベクトルが一致すること
  • 法令を遵守

などの条件を満たして、人材を活かしていく経営を行う必要があります。

給与体系を賃金カーブとして単純に定義することなく、業績と給与の関連性を戦略的に持たせていくことを検討したいですね。

 

ビジョンを持つこと、戦略的に考えること

大切なことは、単純に給与を下げるとかあげるとかいう議論をしていると会社の業績は落ちてしまうということです。

会社の業績を上げるビジョンと戦略があったうえで、労働者に何をやってもらう必要があるのか?そしてそれをどのように評価して処遇に反映していくのか?その因果関係を明確にすることが必要です。

人事制度も戦略的に考えるということですね。

このような視点で、「人」を活かす経営を行えないと、人事労務が経営にとって「リスク」となってしまいます。

 

働く喜びがあり、笑顔があふれる未来へ

社員が安心して働け、仕事に喜びがあるためには、会社がビジョンを少しずつ実現していける必要があります。どちらか片方だけの議論をしていても経営は良くならないものであります。

「そうはいっても景気が悪いし、売り上げを上げることが先決だ」

という考え方も理解できないことはないですが、売り上げを上げるために行動するのもまた「人」であります。片方だけが存在できるものではないということを経営者と社員の双方が理解できる組織づくりが肝要です。

 

経営戦略と人事戦略。すべてが経営と顧客と社員のためにあるものであります。

人を活かすための経営支援を行っております。気軽にご相談ください。