カテゴリー別アーカイブ: 開拓

中小企業のマーケティングの話題で、市場開拓や新たな製品・サービス開発など話題を扱います。

ノンアルコール飲料競争、市場の機会 | 中小企業の経営改善

新たな機会の創出

ビール飲料などについては、市場の縮小が続いているようですが、非ビールである、チューハイやノンアルコールビールの市場は増えている傾向があるようです。
最近はノンアルコールビールが人気のようで、アサヒもノンアルコールビールに再参入し、シェア拡大を狙っているというような話題も出てきています。

一つの商品カテゴリーが永遠に拡大していくということはありません。
時の流れとともに、
 市場が縮小する
 市場が飽和し、横ばいになる
などの状況はいつか訪れるものです。

その中でいかに新しい活路を見出すか、ということは中小企業の経営においても非常に参考になるところです。

ノンアルコールビールにおいては、
 法規制の強化
という側面と
 消費者の健康志向
という側面から、新たな機会として認識されたという部分があるでしょう。市場の変化に消費者の支持も集まったというところです。
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農商工連携など、中小企業の経営におけるコラボレーション

中小企業の経営改善における”コラボレーション”

経営環境が複雑になってきていたり、厳しいもので会ったりするときに、自社だけの動きや資源だけでは限界が出てくる場合もありますね。もちろん限界と思っている壁が考え抜いたビジョンと経営戦略で乗り切れることも往々にあります。そのような自社の生産性の向上とは別に、他社とのコラボレーションということも重要になってきていることが農商工連携支援などのポイントで、中小企業の経営においても考慮に入れたいところです。

農商工連携事業で見ますと、国の施策としても農商工連携促進法により、中小企業者を支援しようとする枠組みができています。ポイントは、
 ・農林漁業者と中小企業が有機的に連携し、
 ・お互いの経営資源を活用し
 ・新商品、サービスを開発し
 ・経営改善を実現する
ということです。
連携法により国から認定されたら、補助金や融資、保証といった支援策を活用できるわけですね。
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インストア・マーチャンダイジング(ISM) | 客単価と客数の構成要素

インストア・マーチャンダイジング(ISM)の考え方で経営改善

インストア・マーチャンダイジング(ISM)のお話で、売上=客単価×客数というお話をして、客単価と客数の構成要素について説明しました。
それらの構成要素について少し詳しく説明します。
インストア・マーチャンダイジング(ISM)というと、店舗経営における指標と考えてしまいますが、これらの「考え方」そのものはBtoBビジネスやネットショップビジネスにおいても応用できると思います。実態に合わせた構成要素というものに分解して検討することが大切です。中小企業の経営改善においても是非とも検討したい視点です。

【客単価の構成要素】
1.動線長
 動線長とは、文字通りですが、お客様が店舗内で動く長さ(距離)の事です。基本的にこれが長くなると、店舗内のいろいろな場所を回って頂いているという事になりますので、長い方が良いという事になります。ただ、だからといって、お客様を長く「歩かせる」ことが目的ではありません。店舗内のあちこちに「行きたくなる」仕掛けづくりが必要になります。店舗内のあちこちを回ってもらうためには、そのような店舗づくりや効果的な「マグネット」といわれる要所を設けることが必要になります。

2.立寄率
 それぞれの売り場にどれだけ多く立ち寄ってもらえるかということです。お客様が計画購買だけで購買する場合は、立ち寄り率はおのずと小さくなってしまいます。いかに、非計画の購買をしていただくかというポイントになってきます。そのために、陳列方法やPOP等の工夫をしていくことになります。
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インストア・マーチャンダイジング(ISM)を検討する

売上を上げたい。多くのお店や企業がそう思っています。経営目標においても「売り上げ○○円」とか「○○%向上」という目標を掲げている会社が多いでしょう。
でも、いざ、売り上げ増を実現しようとすると難しい。当たり前のことですが、「売り上げが下がっているから、売り上げを上げろ」というのは、ほとんど意味のない作文で終わってしまいます。

なんでもそうですが、売り上げを上げるとか、複雑なシステムや機能を開発するとか、顧客満足を向上させるというようなことを実現するには、その目標を達成するためのステップや構成要素に分解して考えてみるとわかりやすいものです。

売上を構成する要素とはなんでしょうか。
もっとも単純に考えると以下のようになります。
 売上 = 客単価 × 客数
売上を伸ばすには、客単価か客数を伸ばす必要があるということです。単純ですね。
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中小企業の戦略 単純な真似だけでない個性や付加価値を

類似戦略だけではうまくいかない競争

シャープは、GALAPAGOSメディアタブレット2機種の販売を終了するそうです。
独自の電子書籍端末として期待されていた製品ですが、戦略としては失敗だったということでしょうか。

類似と書いていますが、GALAPAGOS自体はそれなりにユニークな製品だったように思います。
電子書籍というこれから市場拡大が見込まれる分野に特化した製品として、電子ブックストアと組み合わせて製品化したのです。それなりに期待もあったように思います。

でも、世間ではiPadがあり、iPhoneやアンドロイドといったスマートフォンが普及。電子書籍はコンテンツ不足でAmazonが世界的には先行しているという状況であり、競争環境は厳しいものがあったように感じます。
GALAPAGOSを「持つ理由」がユーザにとって何なのか。その特別さが取り立ててなかったようにも感じます。
電子書籍も普及はこれからであり、コンテンツ不足も否めません。販売も直販にこだわっていたようですが、新規で消費者の手に届けるには及ばなかったようです。様々な面で現在の競争の主要な存在とはなれませんでした。

一見新しく勢いのある市場であっても、競争環境などを踏まえて考えると参入の難易度が高いという事が多々あると思います。
ですので、参入する際は、自社では「どのような付加価値や強み」を持ってその商品を扱うのかという戦略やビジョンが非常に重要になってきます。もちろんビジョンがあってもそのビジョンそのものの方向性が誤っていては、結果がついてこないことになります。その部分での「読み」も非常に重要でしょう。

たとえば環境関連のビジネスでは

中小企業にとってはGALAPAGOSのような大型の製品を直接扱う機会は少ないでしょう。
では、最近のトレンドの環境関連ではいかがでしょうか。
たとえばLED電球は現在非常に普及が進みつつあります。電球自身は2015年にかけて、普及が急速に進むという予想もあります。非常に多くの数のLED電球が売れることになるでしょう。
では自社でもLEDの販売を始めようとなるとどうなるでしょうか。
もちろん、今の市場の波に乗れば売れる可能性は大いにあるでしょう。
しかし、油断をしていると果てしない価格競争に巻き込まれてしまうという現実もあります。事実LED関連の電球などは価格の下落が激しい商品といえます。
インターネットを使えば価格も簡単に調べられる現在の市場環境の中でいかにして売っていくかという「戦略」と「ビジョン」が大切になると思いませんか?

たとえば、
 ・LED電球の導入によって解決できることはなんでしょうか?
   →それは、どのような人や企業が求めていることでしょうか。
 ・LED電球の導入を躊躇する理由はなんでしょうか。
   →そのような躊躇は誰がしているでしょうか。
   →またその躊躇を解決するために自社では何ができるでしょうか。
 ・LEDの持つ特性を応用できないのか
   →製品自体の付加価値提案ができるポイントがないか。
といった視点で戦略を考えることもできるはずです。
そのうえで、実行する際の営業戦略や営業戦術、その管理方法など、いろいろな課題が出てくることになります。

難しいことを考えなくても売れる可能性のある商品であることは確かです。
しかし、多くの企業が同じように考え、売っている可能性があります。競争環境が激しくなるほど価格競争圧力が強まります。

新製品・新サービス・経営改善。
いずれにしても企業の戦略や仕事のやり方の変化を伴う可能性がありますし、変わるべきという表現でも良いかと思います。
中小企業・零細企業にとって、現行踏襲や下請けだけというところを超えた戦略や営業の工夫が必要になってきています。

大企業だけとか、自社には関係ないと考えず、たとえ、街のお店や零細企業だとしても自身の戦略というものをしっかり持っていただきたいところです。

中小企業の営業活動 | できる営業で売り上げアップ

中小企業の営業力向上

営業は、企業の売り上げを生むもっとも重要な活動の一つです。
営業の重要性は、様々な本やセミナーでもネタになっています。関心も高いしそれだけ重要ということです。

良い営業とはなんでしょうか?
1.営業にとって「良い」結果とは、売り上げが上がることです。
2.さらに良い結果は、お客様が喜んでくれて、リピーターになってくれることです。
3.そして、その上に良いことは、お客様が別のお客様を紹介してくれることです。

営業員の人は日々営業目標やノルマに追われ、必死に働いていますが、時として、1.の目先の売り上げだけに固執してしまう場合があります。それが短期的には数字になりやすいからです。2や3の結果まで考慮すると比較的時間もかかるでしょう。時間をかけてもリピートしてくれるか、紹介してくれるかはわかりません。

以前も、リピーターを作ることが大切であることは述べています。新規顧客を新たに開拓するより、既存顧客をリピート客にする方がコストも安く、効果があると一般的に言われているからです。ですので、お客様満足の追求とお客様にファンになってもらうという取り組みが重要になってきます。
そして、その取り組みを追究することで、3の可能性も高まってきます。

多くの営業の人の体験を伺っていると、できる営業の人は以下のような特徴を持っている気がします。

・お客の話を聞くこと。つまり、セールストークで営業側が話すのではなく、お客様に話をしてもらう。さらには話をしたくなってもらうような、展開をする。
・お客に製品やサービスをあまりプッシュしない。
・値引きもしない。

というような特徴です。
猛烈営業の風土がある会社では不思議に感じるかもしれませんが、売って、そしてリピーターになってもらいさらに紹介までしてもらうというのは相当な信頼関係を構築しないとできないことです。

つまり、セールス一辺倒での営業ではなかなか先が続かないのです。できる営業の人は、「売ろう売ろうとしない」ということをよく言います。これは偶然ではないはずです。

「売ろうとしない」で売るには、お客様に「欲しい」と思ってもらう必要があります。
「値引きしない」ためには、お客様に価格以外での明確な選択理由を提供できる必要があります。

それを踏まえて、

・自社では、お客様に興味を持って話してもらう営業方法についてのスキルがあるか
・そのスキルは、社員間で共有されているか?また共有のための仕組みがあるか
・価格以外の訴求ポイントについて明確に整理できているか
・それらのポイントと営業目標について、「見える化」できているか

というチェックをしてみる。
このチェックが全てOKでないとすると、改善のポイントがどこかにある可能性が高くなります。
悪いことではなく、「改善のチャンス」があるのです。
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中小企業の販路開拓 ビジネス・マッチング・ステーション(BMS) で経営改善

中小企業の販路開拓を支援する制度

 中小企業にとって受注の拡大と売上増加は常に大きな課題ですね。昨年から中小企業・下請け企業にとって厳しい状況が続いています。このような中でも生き残りのためには新製品・サービスの開発、販路の開拓、コストの削減等の経営改善を行っていかなければなりません。販路開拓という視点で中小企業を支援する仕組みとして、「BMS(ビジネス・マッチング・ステーション」というものがあります。
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中小企業の新たな製品・サービス開発を発想する

中小企業の新たな事業のアイデアは顧客にあり?

 不況の中でも経営者と社員が一丸となって新たな事業活動を模索しているような元気な企業は、業績も良い傾向があるということを昨日書きました。今までのやり方で十分な収益が上げられなくなったのであるから、違うことに挑戦するということは考え方としてもシンプルですね。とはいえ、新しい商品やサービスのアイデアがポンポンと出てくるわけでもありません。新しい発想はどこから出てくるのでしょうか?
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