タグ別アーカイブ: 経営戦略

正社員比率とパートの活用、人件費の抑制。中小企業の人材戦略

人件費のバランス、パート比率を戦略的に考えましょう

イトーヨーカ堂が正社員を半減してパート比率を90%にするそうです。現在のパート比率は77%程度であるのを90%程度に高めるそうで、それにより人件費も削減するそうです。

もともと大手のスーパーなどはパート比率が高いのですが、それを一歩進めた感じですね。デフレの状況が続く中、人員構成を戦略的に見直した結果なのでしょう。

中小企業にとっても、「人件費」を経営上のコストの中でも大きな割合を占めています。

もしこの人件費が売上げと利益に貢献していないなら。。。

今回のイトーヨーカ堂の場合は、パート比率を高め、人件費を抑制するとともに、パートを弾力的に活用し、店長としても抜擢する方向での人材活用を考えているようですね。上手くいくかどうかは別として、人材活用を戦略的に考え現在の組織を変えていくことは必要な取り組みです。

その場合でも、単純に人件費削減ありきでものを考えてしまっては危険です。人件費削減(もしくは人員削減)は慎重さを要します。不用意なコストカットにより

  • 優秀な人材の流出
  • 社員のモチベーションやモラルの低下
  •  違法な就業環境
  • 本業への悪影響(コスト削減以上に売り上げが減る)

という事態に陥ってしまうと本末転倒です。

 

また人材活用という面では、

  • 徹底的な人材の能力向上や、独自性、付加価値の追求をするか
  • 徹底的な標準化により低コスト化と効率化を推進するか

など基本的な考え方によりパート比率や人件費コストのありかたも考え方が変わってくるはずです。正社員比率を減らせばよいということにはなりません。

そうなると企業としての戦略や理念、ビジョンがどうなのかということも関連してくるわけです。

 

単純なコスト削減として、人件費に手を出さないことというのはとても重要な視点です。

とはいえ、現在の経営環境の中ではコスト削減の取り組みは必須です。

ですので、費用対効果を見極めた人材活用をするとともに、業務の効率化もやはり進めないといけませんね。

その他に、社会保険料の最適化手法などで総人件費を中長期的に抑制していく方法など人材活用を進めながらもコストを削減する方法はあります。

CONSULTING OFFICE 3Sでは、経営上の固定費や業務上のコスト削減など即効性のある削減方法や業務改善による「コスト削減力」を中小企業に付けていただく支援をしております。

コスト削減に聖域を設けず、取り組みを行いましょう。経営相談・お問い合わせもいつでもお受けいたしております。

仮説と実証の積み重ねと変化 | 中小企業の経営改善

科学的姿勢と中小企業の経営戦略

中小企業の特性の一つは、小規模であるがゆえに小回りが利くことであります。機敏に柔軟に変化に対応することができるというのは中小企業の強みの一つであり、それができていないのであれば、もしかしたら、自社の強みの一つをつぶしてしまっているかもしれませんね。

柔軟で、変化を受け入れるという意味では、科学の世界で起こっていることが参考になるかもしれません。以前も書いたことがあるのですが、先日、ニュートリノが光よりも早く進むという驚きのニュースが世界をにぎわせました。その後その実験の一部に不備があったことがわかり、再実験するというニュースが出ておりました。

ニュースだけ見ると、「ふ~ん、そうなんだ」で終わってしまうかもしれませんが、一連の流れは、経営戦略や経営改善を考える中で参考になる教訓が多く含まれているように思います。
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ノンアルコール飲料競争、市場の機会 | 中小企業の経営改善

新たな機会の創出

ビール飲料などについては、市場の縮小が続いているようですが、非ビールである、チューハイやノンアルコールビールの市場は増えている傾向があるようです。
最近はノンアルコールビールが人気のようで、アサヒもノンアルコールビールに再参入し、シェア拡大を狙っているというような話題も出てきています。

一つの商品カテゴリーが永遠に拡大していくということはありません。
時の流れとともに、
 市場が縮小する
 市場が飽和し、横ばいになる
などの状況はいつか訪れるものです。

その中でいかに新しい活路を見出すか、ということは中小企業の経営においても非常に参考になるところです。

ノンアルコールビールにおいては、
 法規制の強化
という側面と
 消費者の健康志向
という側面から、新たな機会として認識されたという部分があるでしょう。市場の変化に消費者の支持も集まったというところです。
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値下げ競争を避けるため 中小企業の経営戦略

中小企業は値下げ競争に陥らない対策を

当たり前の話ではありますが、「価格」の競争はできる限り避ける方が良いでしょう。特に中小企業において価格で選ばれる状態というのは苦しいところであります。

牛丼各社が値下げをしきりにしておりますが、最近では、値下げをしても他社が追従しないという状況が生まれています。
 ・原材料の値上げ傾向が続き、値下げ余力がない
 ・顧客が同じ値下げキャンペーンに飽きてきている
というようなことが考えられますが、単純な価格競争を続けることは大企業であっても難しいことの表れでしょう。
今後原材料価格が低下してさらなる値下げ余地が出てくる可能性もありますが、価格競争に陥らない独自のベネフィットの作りこみが経営戦略上重要になってきています。これは中小企業においても同様の課題であります。

売りたいものの値下げをしないための対策を検討することは中小企業の経営改善においても非常に重要な戦略となります。
 ・価格の比較に陥らない他のベネフィットを強調する
 ・値下げをする場合もお客様にプラスアルファの提案で、客単価の維持・向上を検討する
 ・プレミア感を演出するさらなる強みと品質を追求する
といった対策は是非とも考える必要があります。

もちろん値下げにかかわらず、業務の効率化と原価低減努力は利益に直結する対策ですので並行して検討する必要があるでしょう。
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中小企業の経営戦略 – ビジョンの立て方

中小企業の経営ビジョンをいかに作るのか

資金調達や、業績向上のためには、経営戦略が欠かせません。しかしながら、多くの中小企業にとってそんなに都合よく経営戦略が出てくるのであれば、苦労はしません。

ご支援している企業様においても、やりたいことは何となくあっても戦略に落とし込めなかったり、目標が曖昧で戦略が総花的であったりなど様々な問題があります。そのようなあいまいさが残ってしまうと、いざ実行の際に、現場では戦略や目標が「使われない」という状態が出てきてしまいます。

創業時などでも資金調達の際に、経営計画を書きますが、それが「資金調達」のための目標になってしまっており、資金調達ができた後は、書いた計画が日々の計画の中で忘れ去られてしまうということが起こってしまいがちです。これでは本末転倒というものです。

経営計画も、経営戦略もいきなりできるわけではありません。経営の仕組みとして、計画や戦略を立てられる組織になっていくためには、そのあたりはある程度の段階を踏んで身に着けていくという考え方も必要になってくるでしょう。

では、具体的にどのようなステップを踏むべきか?
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経営ビジョンと戦略の明確化と中小企業の経営改善

ビジョンを明確にできること

円高や自然災害などのリスク自体が生じるなか、海外との競争の激しい日本の製造業は非常に苦しい時期を迎えていますね。中小企業も同様であり、最近は円高の進展などで、海外移転を行わないと生き残れないといったような声をよく聞きます。

海外市場は確かに大きく魅力的であります。新たな市場の開拓は大きなチャンスとなるでしょう。
しかしながら、海外に出ることそのもので成功が約束されるわけではありません。法律的・文化的、あるいは競争環境面からのリスクも当然あります。
また資金的、経営資源的にも海外進出できない中小企業・零細企業はどうするのか?あるいは、そもそも海外に出るような事業でない場合(地域密着型の小売業やサービス業を中心とした店舗、個人事業など)はどうするのか?という視点も欠かせません。

新聞やニュースで取り上げられる典型的な中小企業・中堅企業の例は非常に参考になりますが、自社の置かれている状況はどうでしょうか?同じである企業は少ないと思います。そう考えていくと、業績を伸ばすためには、「現状を認識し」「しっかりとしたビジョンを作る」ということが重要になってきます。

そもそも、「経営ビジョン」とはなんでしょうか?
自社にビジョンはあるでしょうか?
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