仮説と実証の積み重ねと変化 | 中小企業の経営改善

科学的姿勢と中小企業の経営戦略

中小企業の特性の一つは、小規模であるがゆえに小回りが利くことであります。機敏に柔軟に変化に対応することができるというのは中小企業の強みの一つであり、それができていないのであれば、もしかしたら、自社の強みの一つをつぶしてしまっているかもしれませんね。

柔軟で、変化を受け入れるという意味では、科学の世界で起こっていることが参考になるかもしれません。以前も書いたことがあるのですが、先日、ニュートリノが光よりも早く進むという驚きのニュースが世界をにぎわせました。その後その実験の一部に不備があったことがわかり、再実験するというニュースが出ておりました。

ニュースだけ見ると、「ふ~ん、そうなんだ」で終わってしまうかもしれませんが、一連の流れは、経営戦略や経営改善を考える中で参考になる教訓が多く含まれているように思います。

未来に縛られるのではなく柔軟に

科学の世界では、理論と実験・実証や観測した事実を積み重ねて長い歴史をかけて少しずつ「正しいと思われる」知識を蓄積してきました。そこには多くの誤りもありました。実験で出た結果に縛られるのではなく、反証や違う条件での実験など新たな知見を積み重ね、古い知識を修正・書き換えをしてきたのです。そうすることで少しずつ人類全体としての知識は増してきたと言えるのではないでしょうか。

科学的に一度結果が出たから絶対に正しいということではなく、多くの反証に耐えた一部の知識が「正しい」らしいということがわかってくるだけであります。のちの世に新たな知識が出てきたときに驚きをもって古い知識は修正されれていくものです。そこには大きな柔軟性があるように思います。

経営においての教訓はなんでしょうか?
経営において、経営ビジョンや経営戦略を持つことは非常に重要です。しかしながら、それは、
 ・立てた経営ビジョンは絶対に変えない
 ・経営戦略は期間中は絶対に変更しない
ということではありません。経営者であれ、だれであれ、未来を見通すことはできません。将来が不透明な中で、「こうなりたい」という目標やビジョンを持ち、それに対して、「こうすれば実現できるはず」という仮説を持ち実行することが、経営ビジョンを策定し、経営戦略を策定するということであります。

経営は、立てたビジョンと戦略に縛られるのではなく、その後の実行と検証により場合によっては修正されていいのです。
もちろん実行も検証も不十分な状態でコロコロビジョンや戦略を立てるのは問題ですが、しっかりと実行・検証をした結果、うまくいかないことが分かったり、状況が予想したものと違ったのであれば、その現実に合わせて改めて設定すればよいのです。

ビジョンは経営を縛りつけるものではなく、そうなりたいと思う将来像であり、戦略はその仮説と考えて行動することが良いでしょう。ビジョンと戦略を固定させたままであると、状況が変化したとたんに「使えない戦略」に成り下がり、次第に忘れられ、元の通常業務に戻ってしまうという事態にもなりかねません。

では、戦略もビジョンも策定しなくてよいのでは?と感じる人もいるかもしれませんが、そうではなく、将来に「こうなりたい」と思う姿を持つことはやはり重要であり、「どうするのか」を決めることもやはり重要です。短期的な道しるべになりますし、関係者と同じ方向を向くためにも必要です。また実行したことを検証し、あるべき姿と比較するためにもビジョンや戦略は必要になってきます。

科学的な姿勢や柔軟性は中小企業の経営改善において非常に大きな教訓です。
そのような視点でぜひ経営ビジョンと経営戦略を検討してみてください。

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