中小企業の新たな事業のアイデアは顧客にあり?
不況の中でも経営者と社員が一丸となって新たな事業活動を模索しているような元気な企業は、業績も良い傾向があるということを昨日書きました。今までのやり方で十分な収益が上げられなくなったのであるから、違うことに挑戦するということは考え方としてもシンプルですね。とはいえ、新しい商品やサービスのアイデアがポンポンと出てくるわけでもありません。新しい発想はどこから出てくるのでしょうか?
中小企業白書によると、アイディアや発想の源として重視する項目として、「顧客の動向や顧客ニーズ」や「消費者の動向や消費者ニーズ」が挙がっています。このような傾向を見ているとやはり、「顧客が真に求めているもの」に「気づく」事が大切になってきますね。
また、ニーズの把握に当たり重視する顧客の属性や特徴という統計がありまして、それによると中小企業の場合、「取引年数の長さ」や「顧客の物理的距離」を相対的に重視する企業の割合が高いようです。また市場を見ますと中小企業はニッチ市場を重視する傾向があるようです。中小企業の場合、比較的近くでお互いのことを良く知る(取引年数が長い)企業との密なコミュニケーションから情報を引き出している場合が多いのかもしれません。市場との関わりの中で、中小企業は顧客や取引先とウェットな関係を気づいているということでしょう。
しかしながら、上記のような傾向があるからといって、中小企業は、「近くで、これまでの取引先と、ニッチな市場で取引をする」ことで業績を伸ばせるわけではありません。別の統計では、業績の良い企業ほど遠隔地も含めた新たな取引先を開拓している傾向があります。顧客との密接な関係構築をしつつニッチなニーズを摘み取って市場展開を図る姿が見えてきますね。
とはいえ、新しいサービスや顧客を開拓することも大変です。新たなアイデアもなかなか集まらないかもしれません。普段から社内外の声に耳を傾けることのできる仕組みづくりも重要です。
自社では、顧客の声・要望・クレーム等の情報を集める仕組みがあるでしょうか?その情報は活用されているでしょうか?
そのような情報から新たな着想を得るために普段から経営者と社員が深いコミュニケーションを取れる仕組みができているでしょうか?
突然アイデアや顧客が現れることはありません。一つ一つの小さな積み重ねが経営改善につながるのです。
参考:中小企業白書