経営計画策定のため、現状を分析する
経営計画の策定に際して、自社の経営状況や環境についての現状を分析するということについてお話します。何らかの計画を立てて、経営を「改善」したいと考えている以上は、現時点での自社の状況というものを正しく認識しておく必要があります。現状の立ち位置を正しく認識してこそ、経営革新・経営改善のための方策を誤らず立てることができるようになるわけです。
現状を分析といっても簡単なことではありません。自社および自社を取り巻く環境も含めて多面的にさまざまな角度から現状を把握しまとめていく必要があります。
・自社の組織の状況
・自社の決算数値の状況
・取引先との関係
・競合の状況
・市場の状況
・技術動向
・法令の状況
等ざっとあげただけでも様々な切り口がありますね。分析ばかりに時間をかけて良いわけではありませんが、多面的な視点で様々な情報を見つめる事は戦略策定にもとても重要です。
自社の経営環境の調査方法
自社の状況や環境を分析するための情報はどのように収集されるでしょうか。自社の情報ですと、決算数値の収集や社員アンケート、営業記録の収集といった形で、収集すべき内容によって方法も変わってきますね。
【内部環境(自社)の情報】
決算数値、社員アンケート、業務フロー、売り上げ情報、仕入れ情報、営業日報、クレーム記録、社内ルール 等
【外部環境(他社、市場など)の情報】
顧客・取引先アンケート、白書や政府刊行物・書籍での情報、競合他社のホームページや動向、業界紙、市場調査 等
様々な情報源から現状分析に必要な情報をピックアップしてくることが大切になりますね。
現状を分析するための手法
収集した情報を元に分析を進めることになります。現状分析には様々な方法がありますが、一例として、3C分析やSWOT分析を紹介します。
3C分析
3Cとは、「市場(customer)」「競合(competitor)」「自社(company)」の頭文字をとったものです。この3つの切り口から分析をする手法です。外部の視点(市場、競合)と内部の視点(自社)の広い視点からキーとなる競争戦略を決定していくことになります。
SWOT分析
SWOTとは、自社の強み (Strengths)と弱み (Weaknesses)、外部環境からみた自社の機会 (Opportunities)と脅威 (Threats)を分析する手法で、それぞれの頭文字をとった名前になっています。この分析で自社の強みをどのように活かすか、弱みをどのように克服するか、機会をどのようにつかんでいくか、脅威をどのように回避するのかという視点で戦略策定に活かしていきます。
様々な分析の手法がありますが、共通しているのは幅広い視点で自社を捉えて、多面的に改善策を検討していくという部分になります。自社の業務を遂行しながらこのような分析をするのはなかなか難しいかも知れません。「分析なんて難しいな~」と思われるような場合は、中小企業診断士や外部コンサルタントがお手伝いできることもあります。一度相談してみるのもお勧めです。