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中小企業の経営改善・経営革新に必要なものとは2

中小企業の経営改善・経営革新を阻害するものとは?

先日中小企業の経営改善・経営革新の話題の中で、組織の不正について書きました。
不正は、「動機」「機会」「正当化」がそろったときに起こるとありました。これを押さえるために、多くの組織が、「機会」を制限する「管理の強化」を行っていると述べました。管理をすること自体が悪いことであるわけではありません。しかしながら、管理が強くなりすぎると弊害も多くなります。
管理を強化すると、ルールが増えるでしょう。ルールが増えれば、それに伴い管理書類や承認の手続きにも時間がかかります。多くの社員が「ルールを守るための時間」に終われ、いつしか「ルールを守るため」の活動が増えてしまいます。極端な話、それが目的になってしまう場合もあるかもしれません。これは本末転倒です。
しかし「自分たちでルールを決めてしっかりとルールに従い業務を行う」事が悪いことでしょうか?どんな企業にもルールがあります。それが悪いでしょうか。
これは難しい問題です。しかしながら企業は答えを出さないといけません。自分たちなりに。何が答えでしょうか。私は一言でいうと「バランス」なのだと思います。

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中小企業の経営改善・経営革新に必要なものとは

中小企業の経営改善・経営革新に必要な要素

 まだまだ景況は厳しいものがあります。連日のニュースでも円高の進行や株価の落ち込みなど様々な不安要素が見て取れます。中小企業にとってはさらに厳しさが続いているものと予想できます。経営環境は変化しています。変化に適応できない企業はさらに厳しい状況を迎えることになるでしょう。「変化」が求められるのです。それが経営改善・経営革新活動という言葉であったりイノベーションといったりするわけです。ではその変化に必要なこととは何でしょうか。

「手法」としては以前から紹介していたバランススコアカード(BSC)は良いと考えています。バランススコアカード(BSC)の利点はその考え方自体が良くまとまっており、まさに「バランスが良い」事であります。経営の改善に向けての一連の活動をストーリーとして語ることが可能であり、その管理についての具体的な指標を設定しています。

とはいえ、バランススコアカード(BSC)のような手法を導入したからといって自動的に経営改善・経営革新ができるわけではありません。
全社的に目標に向かって努力するような組織・人のつながりを作ることが前提条件と考えられるでしょう。
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中小企業のバランススコアカード(BSC) - 様々な手法の統合による経営改善・経営革新

様々な手法とバランススコアカードの関係

中小企業の経営改善・経営革新において、バランススコアカード(BSC)のように長期・短期、財務・非財務の視点でバランスを取った目標をたて、管理していく手法は厳しい経営環境の中で事業継続していくために必要となる考え方です。しかしながら、このような手法は大企業で使われるだけのものではなく、中小企業であっても非常に重要であり、社内外のステークホルダーとのコミュニケーションのためにも効果的であります。そして、新しい手法を導入していくためには経営者自らのリーダーシップと熱意が必要であることをこれまで書いてきました。しかしながら、日々の事業活動に忙しくなかなかこのような「手法」を導入することには抵抗があるかもしれません。また、他の手法や計画策定作業などを導入している中であれば、さらに新しいと思われるような手法を導入するのは従業員にとっても重荷になってしまう可能性がありますね。バランススコアカード(BSC)のような業績管理手法を導入する場合は、そのことが過度な重荷になってしまわないように考慮する必要もあります。そのためには既存の経営の手法とバランススコアカード(BSC)を一つに統合して運用していくことで全体としての負担を和らげることも可能でしょう。
バランススコアカード(BSC)は以下のような経営活動と統合して運用することが可能です
 ・企業の中・長期経営計画、経営革新計画
 ・従業員の業績評価
 ・中小企業の知的資産経営との融合
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バランススコアカード(BSC)の中小企業への浸透のために。経営改善・経営革新のための留意点(従業員の貢献)

中小企業へのバランススコアカード(BSC)の浸透

バランススコアカード(BSC)は4つの視点(財務、顧客、内部プロセス、学習と成長)で策定した戦略を管理するための手法であり、中小企業の経営改善・経営革新に有効です。中小企業の経営で効果を挙げるためにはバランススコアカード(BSC)を組織に浸透させていく必要がありますね。先日は「経営者自ら戦略の重要性を認識すること」がまずは重要であり経営者のリーダーシップで組織への浸透を図っていく必要があります。そのために経営者としてのビジョン・戦略を考えていくことが大切になります。
そして、経営者によるトップダウン的な変化と同様に組織のボトムアップからの意識改革も必要になります。それが「全従業員が戦略実現のために貢献が必要であることを認識し、参加すること」となります。
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バランススコアカード(BSC)の中小企業への浸透のために。経営改善・経営革新のための留意点

中小企業でのバランススコアカード(BSC)の浸透の留意点

バランススコアカード(BSC)は経営戦略を4つの視点(財務、顧客、内部プロセス、学習と成長)で管理することのできる業績管理手法です。中小企業の経営においても戦略の策定とその管理は重要であり、バランススコアカード(BSC)が有効なツールとなる可能性があります。しかしながら中小企業の経営改善・経営革新にバランスコアカード(BSC)のような手法を新たに導入する場合には留意点もあります。それは以下のようなポイントとなるのではないでしょうか。
 ・経営者自ら戦略の重要性を認識する
 ・全従業員が戦略実現のために貢献が必要であることを認識し、参加すること
 ・バランススコアカード(BSC)でPDCAサイクルをまわすこと
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バランススコアカード(BSC)の部門展開と評価制度での活用 中小企業の経営改善と経営革新へ

バランススコアカード(BSC)を全社から部門・個人へ

バランススコアカード(BSC)は中小企業の業績管理のためにも非常に有用であり、中小企業の経営における財務と業務プロセス、顧客・従業員の活動との因果関係を整理し企業の戦略の整合性を確保するために活用できます。中小企業の経営改善・経営革新にも非常に便利ですね。
バランススコアカード(BSC)は企業のトップレベルのみで活用することもできますが、設定した目標をベースとして、各部門に展開することもできるでしょう。これまでも部門ごとの目標や戦略設定は行ってきている企業が多いでしょう。しかしながら、従来の目標設定の仕方では企業の全体戦略との整合性が取りにくかったり、戦略と目標の因果関係の整理が十分でなかったり、ついつい短期的な視点で目標を設定したりしてしまいがちになる可能性があります。このような問題に対応するためにバランススコアカード(BSC)の考え方を部門や個人に展開するということが考えられるわけです。
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中小企業のバランススコアカード(BSC) 4つの視点を管理する業績管理指標(KPI)

バランススコアカード(BSC)の業績管理指標(KPI)の例
中小企業の経営改善・経営革新でもバランススコアカード(BSC)を活用することは非常に有効です。短期的思考に陥りがちな財務に偏った目標設定と比較し4つの視点(財務、顧客、業務プロセス、学習と成長)に目を向けてバランスを取るバランススコアカード(BSC) はわかりやすく受け入れやすい側面もあるでしょう。
バランススコアカード(BSC)で業績を管理するために重要な考え方は、業績を計数管理するということです。定性的な情報だけで管理しようとすると実施状況の判断があいまいなものになりがちです。何らかの形で計数化し、管理できるようにするということです。計数目標を設定し、その計数を集計する方法を明確にしておけば、経営判断のための情報収集も楽になるでしょう。
4つの視点での業績管理指標(KPI)は会社によって様々な指標が考えられますが、代表的なものは以下のようなものが考えられます。

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バランススコアカード(BSC)の検証で中小企業の経営改善・経営革新を確実に

中小企業のバランススコアカード(BSC)の実績検証

中小企業の経営改善・経営革新にはしっかりしたビジョンと戦略をもってできる限り計数管理できる指標をもって業績を管理していくことが大切であり、バランススコアカード(BSC)の重要成功要因(CSF)や業績評価指標(KPI)のような考え方は有用であります。バランススコアカード(BSC)を利用して中小企業の経営改善や経営革新を実現するためには、スコアカードを作るだけでなく実際に運用を行い、検証・改善までを行う必要があります。つまりPDCAをしっかり回すということですね。
バランススコアカードで設定した戦略や目標を実現するためには、その改善行動の進捗をモニタリングし、問題が発生する場合は、その対応と改善を行う必要があります。
その際、バランススコアカード(BSC)の重要成功要因(CSF)や業績評価指標(KPI)に修正が必要になる場合もあるかもしれません。
バランススコアカード(BSC)で掲げた戦略はそもそも「仮説」であります。4つの視点(財務、顧客、業務プロセス、学習と成長)で設定した戦略の因果関係も仮説になります。その仮説に誤りがあると判断された場合は、戦略の修正を行う必要がありますね。
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中小企業の業績を管理して経営改善・経営革新する バランススコアカード(BSC)のスコアカード作成

バランススコアカード(BSC) スコアカードで業績管理

バランススコアカード(BSC)では財務の視点、顧客の視点、業務プロセスの視点、学習と成長の視点という4つの視点で戦略の因果関係と仮説を整理し、その重要成功要因(KFS)と業績管理指標(KPI)で目標の達成を管理することになります。この考え方は企業の戦略策定から実際の業務の成果までを整理・管理することができ、中小企業の経営改善・経営革新に非常に有効であると考えることができます。
設定した重要成功要因(KFS)や業績管理指標(KPI)はスコアカードとして一覧するとよいでしょう。
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戦略を成功に導く重要成功要因(CSF)と業績評価指標(KPI) 中小企業のバランススコアカード(BSC)

中小企業の経営改善・経営革新を成功に導くBSCの指標

中小企業の経営改善・経営革新にバランススコアカード(BSC)を導入することは有効であると考えられます。バランススコアカード(BSC)の4つの視点で長期・短期、財務・非財務のバランスの取れた視点で経営を考えることで偏った思考を避けることができますし、バランスの取れた戦略は関係者にもそのストーリが伝わりやすく共有もしやすいのです。バランススコアカード(BSC)の4つの視点(財務、顧客、業務プロセス、学習と成長)の課題と戦略目標を可視化した戦略マップにより、企業の戦略を実現する筋道を示すことができることを前回書きました。次は、戦略マップで策定した各目標についての重要成功要因(CSF)と業績評価指標(KPI)を設定することになります。

バランススコアカード(BSC)の重要成功要因(CSF)

バランススコアカード(BSC)の重要成功要因(CSF)は戦略目標を実現するために重要な影響を与える要因のことです。この要因について適切な管理・行動を行うことにより、戦略目標は達成できることになります。重要成功要因はバランススコアカード(BSC)で設定した戦略目標から、それを達成するために必要であるという要因を抽出し、設定することになります。
例えば、戦略目標として、顧客満足度の向上を掲げたとした場合、その重要成功要因としては、クレーム処理の迅速化やクレームの削減、素早い対応等の要因が考えられるかもしれません。このように企業や組織ごとに戦略を実現するために必要となる要因を決定することが必要になるのです。
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