中小企業のバランススコアカード(BSC)の実績検証
中小企業の経営改善・経営革新にはしっかりしたビジョンと戦略をもってできる限り計数管理できる指標をもって業績を管理していくことが大切であり、バランススコアカード(BSC)の重要成功要因(CSF)や業績評価指標(KPI)のような考え方は有用であります。バランススコアカード(BSC)を利用して中小企業の経営改善や経営革新を実現するためには、スコアカードを作るだけでなく実際に運用を行い、検証・改善までを行う必要があります。つまりPDCAをしっかり回すということですね。
バランススコアカードで設定した戦略や目標を実現するためには、その改善行動の進捗をモニタリングし、問題が発生する場合は、その対応と改善を行う必要があります。
その際、バランススコアカード(BSC)の重要成功要因(CSF)や業績評価指標(KPI)に修正が必要になる場合もあるかもしれません。
バランススコアカード(BSC)で掲げた戦略はそもそも「仮説」であります。4つの視点(財務、顧客、業務プロセス、学習と成長)で設定した戦略の因果関係も仮説になります。その仮説に誤りがあると判断された場合は、戦略の修正を行う必要がありますね。
例えば、売上高の向上を目標としており、そのために新規顧客の拡大を顧客の視点の重点目標としていたとします。モニタリングした際に顧客数は拡大しているのに売上高があまり増加していないような場合は戦略の仮説に誤りがあるかもしれません。例えば既存顧客の満足度が何らかの形で低下している等の問題が発生しているかもしれないのです。そのような場合は、最初に立てた売上向上の仮説に誤りがあると考えられるわけです。ですので戦略仮説の立て直しとそれを管理する重要成功要因(CSF)や業績評価指標(KPI)にも修正が必要になるかもしれません。
バランススコアカード(BSC)は固定的なものではなく、仮説の設定、実施と検証の中で継続的に改善していくべきものです。一度の計画で全てが上手くいくことはありません。しっかりした検証と改善活動により経営改善と経営革新を確実なものにする必要があります。
バランススコアカード(BSC)のこのような運用の流れはどのような業種の経営でも活用できるものでしょう。PDCAを回すための考え方や計数管理までをカバーしており、中小企業にとってもわかりやすいものになっているのではないでしょうか。
とはいえ、新しい考え方を導入するには難しい問題もあるでしょう。バランススコアカード導入のご相談も気楽にしていただければと思います。