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見ること・見られることの意義

アメリカの大手企業で、社員の行動をセンサーでモニターして経営改善に活かしているという事例があります。生産性の高いスタッフは結束が強いチームに属しており、同僚と頻繁に会話しているらしいのです。

なかなか興味深い取り組みですね。

この事例では、

  • 会社が細かな点まで社員の動きを見ている(やり方についての是非は別として)
  • コミュニケーションの高さが生産性の改善に寄与する

ということが挙げられます。

前者は会社が社員の動きに注目し、それを経営改善に活用しているという点で重要です。その結果として、コミュニケーション機会が増え生産性が上がる結果が出ているわけで、自社の生産性向上の一つの視点になりそうですね。

 

気を付けるべきポイントとして、

  • 社員の束縛や監視ではない
    モニタリング情報を社員の叱責に使えば逆効果になる
  • 見ることが目的ではなく、その先に何らかの改善を行うことが重要

といった点があります。

前者は、当然のことであり、社員の監視になってしまえば、委縮したり不満につながります。また叱責材料に活用されてしまえば余計に不満が募ります。問題の解決は必要ですが、社員の信頼を否定するレベルの監視は逆効果です。

後者は、モニタリングそのものが目的ではないことは当然のことです。生産性向上のための改善点を探し、情報を活かすことが大切です。その取り組みを行っていれば、前者で指摘した「監視」という印象は自然となくなっていくでしょう。

 

やり方の是非は別として、これも見える化の一つのやり方かもしれません。仮説をもって、その取り組みを見えるようにして、改善を繰り返すということがとても大切であり、中小企業の経営でも非常に重要です。

見られる社員側にとっても、

  • 自分の行動や結果をみられていること
    そして、そのことが前向きな形で最終的にフィードバックされ、改善に活かされること

が実現できれば、モチベーションにもマイナスの影響はないでしょう。

適度な緊張感を持つことができる可能性もありますね。

 

経営改善のやり方として、私も「見える化」を重視しております。これは中小零細企業の経営改善でも十分にできる内容であり、とても大切な要素が詰まっています。

 

いろいろな事例を参考にしつつ、自社に活かせる部分がないか考えて見ましょう。

経営改善のための相談も気軽にしてくださいね。

有給取得率の現状と中小企業の経営改善

有給取得状況はいかがですか?

東洋経済オンラインにて有給休暇取得率トップ300というものが公開されていましたね。

厚生労働省の調査では有給消化率の平均は49.3%、それに対して今回の調査では平均で51%のようで、調査方法や範囲が異なると思いますが、似たような結果になっています。

業種的には製造業などは比較的消化率が高く小売業などは低い結果になっています。

比較的規模の大きな企業でこのくらいですが、中小企業ではどうでしょうか?会社によっては有給も自由に取れない状況になっているというのはあり得ることですね。

 

なぜ有給休暇が取得できないか

いま取得率が低いから、今期から100%取得できるようにする!と言っても実際にはそんな簡単にできません。

休暇が取れない原因を探っていきそれに対する対応をする必要があります。有給に限らずいろいろな経営改善をする上で必要な姿勢です。

有給休暇が取りにくい原因がどこにあるでしょうか?

・日々の業務がギリギリで回っている

・クレーム・トラブル対応が多く、休暇が取りにくい

・急な仕事が入る場合が多く、休日出勤も多い

など業務面の問題もあるかもしれません。

また、

・休みを取りにくいふんいきがある。

といった形で、企業文化に問題がある場合もあるかもしれません。

 

自社の現状を正しく把握し、対応方法を考えてみましょう。

 

有給が取れる状態というのは、

  • 通常の休暇も取れている
  • 過剰な残業がない状態
  • 業務がコントロールされている
  • トラブルなども柔軟に対応できる
  • 業務の無駄、ムラを削減する取り組みを続けている
  • 休みを取ることに協力的な文化

などが揃うことで少しずつ改善していくものです。

そして、上記の状態というのは企業として効率も高く収益性も高くなっている可能性があります。

目指すべき目標としても良い形だと考える方が良いでしょう。

有給を増やすことで、業績が悪くなると考えているのであれば、それは全くの逆であると認識することから始めましょう。有給を取れるほどに業務が効率化し、付加価値の高い仕事ができるようになりたいと考え経営改善することで経営力は向上するものです。

 

とはいえ、日々の業務に振り回され、業績も悪いという経営者様も多いでしょう。

経営改善は時間のかかる取り組みです。小さな改善から始めましょう。

いつでも経営相談承ります。

 

賃金上昇の中の人材育成 中小企業の人材戦略

上がり続けるバイトの時給

そんな見出しの記事が日経のサイトに出ておりました。飲食店などの新規開店が続き、アルバイトの募集が増えている中、時給の平均も上昇傾向にあるとのことです。

また、顧客の目が厳しくなる中、接客力のある有能な人材を雇いたいという会社側の思惑もあるのかもしれません。

また指摘されていることとして、

  • 最近の若者はお金より楽な仕事を選ぶ
  • 接客に向かない人が増えている

などと書かれております。競争が激しい中、人材育成を位置からやっている余裕はないので、最初に厳選して採用しないといけないと論じられております。

 

さて、中小企業や個人事業などの経営に当てはめて考えてみるといかがでしょうか。

このような企業やお店での制約事項として、

  • 大企業のようなネームバリューがないので人材が集まりにくい
  • 雇用の際に簡単に高い給料を払えるほどの資金力はない

ということはないでしょうか?記事に指摘されている事項は間違いではないですが、どちらかというと大企業だから言える理論だとも感じます。現実問題として中小企業や個人事業では上記のような制約事項があると考えます。ではどうするか?

 

余裕がなくても人材育成はテーマとしてあった方が良い

当たり前ですが、経営資源の限られる中小企業や個人事業においては、ネームバリュー・資金力・人材育成の体制といったものについて十分な余裕がないのが実情であります。でも対応しないといけないという状況にあるとすればどうすればよいでしょうか?

ネームバリューや資金力というのは、経営力が強くなり、収益をしっかりあげられ、顧客の支持を得られるようになった会社やお店についてくるものであります。つまり時間軸としては、後の方になると考えられるのです。そこで、一つの考え方として人材育成を考えるという視点が出てきます。余裕はないよと言われるかもしれませんが、業務の見直しを通じて人のスキルを上げその結果として収益を上げるという戦略を考えていく中で実現可能な落としどころは作れるはずです。いきなり裏付けのない高給を提示することはできないはずですね。

 

記事に書かれていたように、きつい仕事を避ける人が増えている傾向があるのであれば、自社も業務を効率化し、仕事をわかりやすくそれでいてやりがいのある形に変化させる必要があります。

本来は、そのような考え方を推し進めれば、業務の効率化によりコスト削減も実現できる可能性があるでしょう。人材育成=手間・コストととらえるよりかは経営改善とコスト削減のきっかけにもなるととらえた方が前向きに取り組めるのではないでしょうか。

 

小さな会社には様々な制約事項があります。それを取り除き(あるいは避けて)いかに目的を達成するかは経営改善の重要な視点であります。

 

金もない、ブランドもない、暇もないと、ないないずくめで嘆くよりもどこかに突破口を見つけて経営改善をするという意識を持ってみましょう。

経営相談などもいつでも承りますので、気軽にご相談ください。

 

中小企業の高齢者活用(雇用延長義務化に向けて)

雇用延長の義務化の流れの中で中小企業戦略を考える

2013年度の4月より、60歳定年延長の法律も変わり、希望する人に対しては、65歳まで定年を延長する必要が出てきます。

細かな制度詳細などは厚生労働省などの情報が詳しいので割愛しますが、流れとしては4月より希望者に雇用の継続を行う義務が生じるので、それに対応した人材活用を考えないといけませんね。

中小企業の場合、高齢者は多くのノウハウを持っています。それを考えた場合、引き続き戦力として仕事に貢献していただけるのは「機会」ととらえることができます。

期待される取り組みは、

・ノウハウ、経験を活用したさらなる業績への寄与

・ノウハウの若年者への承継と人材育成

といった部分であります。

勤務条件や報酬形態なども勘案して、引き続き何を期待するのか?ということを明確に定義して活躍していただく必要があります。

雇用の延長が単なる人件費の増加要因と考えるのではなく、残ってともに仕事をする上で共通のビジョンを持ち責任も持ち頑張るという組織体制が必要です。

戦略と整合性を持つ中で、今後はより「成果配分」という考え方が浸透してくると考えられます。

 

いずれにしても中小企業にとって、人材の育成やノウハウの承継は大きな課題であったわけですので、経験豊富な人材のノウハウを活用・伝承できるようにしたいものですね。

 

 

中小企業の働きやすさと経営戦略

若者応援企業の認定が始まります

厚生労働省が、若者の採用と育成に積極的な中小企業の認定を始めるそうです。

大企業志向・安定志向が強い中、魅力ある中小企業への就業を促進する効果が期待されますね。

認定ですので、その条件があるわけですが、

  • 入社3年後離職率
  • 有給休暇の取得実績
  • 育児休業の取得実績
  • 教育訓練の内容

などの公表が求められています。

このような指標を明確に公表できることは、「働きやすい」環境であることをアピールできる具体的な手段であります。

最近では、ネットなどで、過酷な労働環境などを「ブラック企業」として口コミで書かれるようなケースも増えています。離職率や有給休暇取得などを公表できる組織を作るという側面からも経営改善のきっかけとすることができるでしょう。

また、これらの内容は指標化も可能であり、経営計画に組み込んでいくことも可能なものであります。その点からも良い意味で活用を検討して良いと思います。

経営戦略との整合性も考えて見ましょう

このような就業環境を考えるときに、就業や労務のことだけを考えてしまうと、なかなか手が出ないかもしれません。大切なことは、このような経営改善を進めることで、中小企業の財務構造と収益構造が最終的にプラスになることに寄与できるかどうかです。

法律を守るというのは大前提ですが、それとプラスして労働環境を改善し、働く意欲を増進することで売上アップにつなげるというストーリーを描けることが大切です。つまり経営戦略とリンクして考えることで、収益改善と人材・組織の育成の両方が成り立つのです。

・売上向上 ← 顧客の増加が必要 ← 営業の強化、商品開発の必要性 ← 従業員スキルの増大の必要性 ← 就業環境の効率性と教育の充実

など、一連の流れの中で、人と業務・商品・顧客、そして売り上げは本来繋がっているはずです。その繋がりを形に表し、行動レベルに落とし込んでいくことが経営戦略というものなのです。

 

このように見ると、労働環境、収益構造というのは関連付けて考えることができるようになるはずですね。中小企業の経営改善・経営力向上を考えるきっかけとしていきたいものです。

 

 

人件費率と労働分配率

賃金があげられる経営

関連コラム: 当事務所HPコラム「人件費(賃金)を上げるための経営力」

デフレ脱却、円安、株高とここ何年も苦しんできた日本の経済が少し息を吹き返す兆しが見えてきました。その中で、従業員の賃金を上げるという要請が出てきています。判断は個別の企業が行うことになりますが、景気の回復局面に入っても、個人の所得が増えなければ、消費も増えないし、景気も本当の意味で回復しないことは明白ですので、できれば個人所得も増えていく方が良いでしょう。それは従業員だけでなく本来は経営者も願っていることと思います。

しかし、中小企業の経営を考えた時に、赤字傾向であったり取引先の減少など売上の減少が続いている事も多いでしょう。そのような会社では、賃金増加はまさに「他人事」というのが実情かもしれません。

とはいえ、個人の賃金がいつまでも現状維持もしくは減少が続いていいわけではありません。経営悪化→個人所得減少→モチベーションの低下→さらなる経営悪化のスパイラルに入ってしまっては目も当てられませんね。

ですので、将来的には、個人所得をアップさせるために目標設定を行うことは必要であると考えます。

例えば、人件費率は現在どうなっているでしょうか?小売業や卸売業は低いかもしれませんし、サービス業は高い傾向があるでしょう。その中で、自社の人件費率を経営を圧迫するほど上げずに個人所得を増やすにはどうすればよいでしょうか?

  • 売上をアップさせる
  • コストを削減し、利益を増加させる

という取り組みが必要なのはすぐにわかります。

現状の財務的な構造を踏まえて、人件費率の目標を設定し、売上や利益の収益構造のあるべき形を探っていくと目指すべき方向が見えてきます。

そのうえで、どのように営業するか、どのように商品・サービスのマーケティングを行うかという戦略に落とし込んでいくというのも一つの経営改善の視点です。

 

もう一つ「労働分配率」もチェックしてみたいところです。

労働分配率=人件費 ÷ 付加価値

です。会社の生み出す付加価値に対する人件費の割合のことですが、付加価値を高めることで、相対的に人件費への配分を厚くするという考え方もできます。

 

会社の生み出す売上・利益を増やすことができれば従業員に還元する。

会社の生み出す付加価値を増やすことができれば、従業員に還元する。

これら二つは当たり前の取り組みでもあります。では経営で考えるべきことはやはり、売上・利益・付加価値の向上策となり、その戦略を従業員も含めて構築することが必要になります。「戦略の見える化」ともいえる取り組みであります。

 

小冊子もお役立てください!

所得の増加は会社にとっても働く人にとっても必要です。そのために、会社の経営を良くする必要があります。そのように考えれば、経営力向上は経営者だけでなく従業員にも必要な取り組みであることがわかるはずです。全員参加で経営戦略を構築していくという取り組みも必要になるでしょう。

当事務所では、戦略策定に役立つ小冊子も限定でお配りしておりますので、お役立ていただきたいと考えております

 

 

 

環境は変化する。中小企業には経営の柔軟性が必要

環境の変化は必ず起こる。変化に対応することが重要です

経営環境の変化は中小企業の経営に大きな影響を与えます。大手企業の業績不振や海外進出などで、下請け企業が影響を受けるというのはあり得ることです。

  • 現在の延長線上で全てを考えてしまうといつかうまくいかなくなる
  • 変化は必ず起こる。自社も変化に対応する

このような前提がないと、経営はどこかで行き詰ってしまいます。

 

環境の変化にもいろいろあります。

全受注したような取引先の業績の変化や海外進出といったものはその一つです。

他には、スマートフォンの普及に伴うゲーム機やデジカメの需要の鈍化なども代表例でしょう。その事業で強みを持っていた企業は経営環境が大きく変わることになります。

高齢化による人口構造の変化も代表的な環境変化の要因です。

その他にも、環境の変化、エネルギーインフラの変化、労働規制や法律の変化なども考えられます。

変化は必ず起こりますが、自社の経営の悪化を外部のせいにしてしまっては、経営改善はできません。自社を柔軟に変化させる努力が必要でありますし、そのような戦略立案が中小企業にも求められます。

 

変化にどのように対応するか

(例)スマートフォンの普及で、デジカメ需要が減少傾向
スマートフォンの普及は、デジカメ各社にとっては脅威でしょう。スマートフォンの利便性に対して、デジカメが訴求できるポイントを整理して行くことが求められますね。
例えば、「画質」。これは光学的な特性から、小さなスマートフォンのレンズや素子では超えられない壁があります。また、ネットワークの親和性やGPSなどスマートフォンと同様の使い勝手を備えることも一つですし、撮影の楽しさや所有欲に訴えることも重要でしょう。

(例)地域における競争激化(飲食店など)
自社の強みや特徴を打ち出した他社との差別化や地域特性に合った商品・サービスの展開が図れないか、戦略を考える必要がありますね。単なる安売りや客待ちの姿勢ではジリ貧になってしまいます。
→ あるお店では、競争の激化や顧客の需要の変化などの環境変化に対して、法人需要の開拓を徹底的に進め、固定客の獲得を実現していました。

(例)取引先の海外進出
自社の商品・サービスの利便性や強みを整理し、新規顧客開拓が必要となります。見込み客との接点をいかに増やすか、自社の強みと現在の需要のどこかにマッチできる部分がないかなど需要の掘り起こしも必要です。
→ある製造業では、それまで極めて少数の取引先に売り上げのほとんどを依存していましたが、環境の変化に対して、自社の見込み客や協力会社に対する営業を再度徹底し、取引先数を伸ばすことで経営の安定を実現しました。

また、個別の戦略は各企業によって変わるものですが、

  • 自社の特徴
  • 顧客のニーズ
  • 見込み客との接点

などを整理し、どのような取り組みを行うかを決めて行動することが重要です。その取り組みを進めることが自然と「変化」につながっていくという側面もありますね。

 

商品・サービスのライフサイクルを考える

サービス・商品は永続するとは限らない

事業の永続性は中小企業の経営において極めて重要な課題です。しかし、個々の商品やサービスは環境が変われば衰退していくものです。

マクドナルドもここ数年収益が頭打ちとなり売上・利益が減少しているそうです。デフレの中で勝ち組と言われていた企業ですらそうなのです。

当たり前の話ですが、需要は無限に増加することはありません。ですので今のまま商品・サービスを提供しているだけではいつか売り上げは頭打ちになります。そうでなくても、商品が浸透し飽きられれば需要がなくなるということもあるわけです。ここで、商品やサービスのライフサイクルを意識しないといけなくなります。

一般に商品・サービスのライフサイクルは、「導入期」「成長期」「成熟期」「衰退期」があるといわれています。細かな話は省きますが、どのような商品でも始まりから成長・成熟を迎え、いつかは衰退するということです。

経営を安定させるためには、

  • 成熟期から衰退期に移さずにさらなる成長を促す取り組みをする
  • 新たな商品・サービスを開発し、育てていく

という二つの取り組みが必須になります。

前者の場合は、新たな価値観の提供(使い方や使用場面の提供、お得な増量、パッケージの更新を含め)や改良で末永く継続できるようにするということが必要です。(食品などの定番商品などは息が長いですね)。

後者の場合、消費者ニーズをつかみ、自社の強みを活かした新たな商品・サービスを提供することで、自社の商品群のライフサイクルの構成を最適化するということになります。

 

どちらの取り組みにしても、自社の環境の変化に合わせて柔軟に対応していくということが必要なわけです。

 

そう考えると継続と変化というのは似た要素があると考えられますね。

 

労務を経営のリスクにしないように

人を辞めさせるためにエネルギーを使うより収益を上げる方策に力を入れる

大手企業では、「追い出し部屋」なるものが存在しているとかいないとかという記事が出ています。人員削減を進める会社が不要と判断した人員を集めて退職を迫ってくるらしい、ということなのですが、どのような事情であれ、これはNGですね。

業績不振から人件費の削減が必要になるケースは確かにあります。そのために早期退職などを求めていく場合もありますが、違法行為すれすれのグレーな行為は、会社の理念や根幹、残った社員の心まで傷つける行為でもありますね。なんとしても下げないといけません。

実態も報道されている通り、もしくはそれに近いのであれば、一部の会社は内心、社員をやめさせるという心づもりでそういう場(あるいは部署)を作り、やめさせるように勧告しているのかもしれません。

個人的には、そのような行為自体が、売上にも利益にも貢献しない無駄な行為であると思います。経営上は、収益を獲得するためにすべての資源や能力を投入しないといけません。このような行為は会社の利益に中長期的に反するばかりか、会社に不要な労務リスクまでしょい込んでしまうことになります。こちらの方が経営上は大きなリスクになると考えられますが、組織にはそれが「見えない」場合があります。今回の場合は「人を減らす」という命令をただただ推進していたのかもしれませんが。

 

人をやめさせるために時間や労力を使うより、売上や利益を獲得するために時間を使う。当たり前のことができるようになりたいものですね。

税制の変化と経営改善

新しい税制への変化

新政権になり、円安・株高傾向になっておりますね。その中で、来年度には消費増税も控えています。税関係の話題も何かと増えているので、注視が必要であります。例えば、給与増加により法人減税を行うような制度は、経営・雇用の両面で効果が出る可能性があります。しかし、そのような減税の恩恵を受けられるように経営を改善するということが何より大切になってきます。

中小企業にかかわる税制改正は?

いくつか出てきている税制改正に関する情報としては、

  • 給与の支払総額の増加分に見合う一定割合を法人税額から差し引く案
  • 設備投資の増加分について前倒し償却や税額控除
  • 研究開発費の一部を差し引く減税の拡大
  • 交際費の損金算入引上げ
  • 祖父母から孫への教育資金を非課税に

といった案が出てきています。

給与などは最近の非正規雇用の増大傾向などからも減少が続いていますが、給与増へのモチベーションが上がる可能性もあり、期待できますね。

投資に対する減税や研究開発費に対する減税は自社の強みの強化に活かせますし、交際費も営業活動の一環として重要な位置づけでしょう。

もし、実現した際にはうまく活用したいですね。

 

中小企業が減税策の恩恵を享受するために

これらの減税策は、単に減らすということではなく、当然ながら、それぞれに条件があります。給与を増額するにしても投資をするにしても資金を使う必要があり、減税は、支出した金額以下の金額しか行われないのは当然です。つまり、会社のキャッシュは減税分を差し引いても減ることになります。当たり前と言えば当たり前ですが、このような減税の恩恵を受けるためには、

  • 将来のあるべき姿の定義とそれを実現する戦略
  • 戦略的な投資
  • 成果を還元する

という経営上の「良いサイクル」を生み出す必要があります。つまり経営力です。

赤字続きの企業にとって、これらの施策は無縁のものです。そのままではいけませんね。

ビジョンを定義し、それを実現するために行動し、還元する。このサイクルをいかに作るのか?そして、そのサイクルを作るために今何が課題なのかを明確にできるでしょうか?

 

経営戦略や経営課題を「見える」ようにし、改善行動を実現することが重要です。

当事務所でも小さな会社の戦略・経営の「見える化」を支援していますので、気軽に経営相談くださいね。

無料小冊子も是非ご活用ください