環境の変化は必ず起こる。変化に対応することが重要です
経営環境の変化は中小企業の経営に大きな影響を与えます。大手企業の業績不振や海外進出などで、下請け企業が影響を受けるというのはあり得ることです。
- 現在の延長線上で全てを考えてしまうといつかうまくいかなくなる
- 変化は必ず起こる。自社も変化に対応する
このような前提がないと、経営はどこかで行き詰ってしまいます。
環境の変化にもいろいろあります。
全受注したような取引先の業績の変化や海外進出といったものはその一つです。
他には、スマートフォンの普及に伴うゲーム機やデジカメの需要の鈍化なども代表例でしょう。その事業で強みを持っていた企業は経営環境が大きく変わることになります。
高齢化による人口構造の変化も代表的な環境変化の要因です。
その他にも、環境の変化、エネルギーインフラの変化、労働規制や法律の変化なども考えられます。
変化は必ず起こりますが、自社の経営の悪化を外部のせいにしてしまっては、経営改善はできません。自社を柔軟に変化させる努力が必要でありますし、そのような戦略立案が中小企業にも求められます。
変化にどのように対応するか
(例)スマートフォンの普及で、デジカメ需要が減少傾向
スマートフォンの普及は、デジカメ各社にとっては脅威でしょう。スマートフォンの利便性に対して、デジカメが訴求できるポイントを整理して行くことが求められますね。
例えば、「画質」。これは光学的な特性から、小さなスマートフォンのレンズや素子では超えられない壁があります。また、ネットワークの親和性やGPSなどスマートフォンと同様の使い勝手を備えることも一つですし、撮影の楽しさや所有欲に訴えることも重要でしょう。
(例)地域における競争激化(飲食店など)
自社の強みや特徴を打ち出した他社との差別化や地域特性に合った商品・サービスの展開が図れないか、戦略を考える必要がありますね。単なる安売りや客待ちの姿勢ではジリ貧になってしまいます。
→ あるお店では、競争の激化や顧客の需要の変化などの環境変化に対して、法人需要の開拓を徹底的に進め、固定客の獲得を実現していました。
(例)取引先の海外進出
自社の商品・サービスの利便性や強みを整理し、新規顧客開拓が必要となります。見込み客との接点をいかに増やすか、自社の強みと現在の需要のどこかにマッチできる部分がないかなど需要の掘り起こしも必要です。
→ある製造業では、それまで極めて少数の取引先に売り上げのほとんどを依存していましたが、環境の変化に対して、自社の見込み客や協力会社に対する営業を再度徹底し、取引先数を伸ばすことで経営の安定を実現しました。
また、個別の戦略は各企業によって変わるものですが、
- 自社の特徴
- 顧客のニーズ
- 見込み客との接点
などを整理し、どのような取り組みを行うかを決めて行動することが重要です。その取り組みを進めることが自然と「変化」につながっていくという側面もありますね。