経営改善・経営革新のためのバランススコアカード(BSC)
景気回復についての明るいニュースも聞かれるようになってきました。しかしながら中小企業を取り込む経営環境はまだまだ厳しいですね。厳しい状況の中でこそ中小企業も変化を求め、しっかりした理念とビジョンを持って経営改善・経営革新を図っていくべきです。景気が緩やかではありますが回復局面を迎えつつあります。自社では実感がないという風に言われる方も多いでしょうが、実際に元気な企業もあるわけです。自社でも回復を実感できるようにしたいものですね。
経営改善・経営革新のためには、企業理念とビジョンに沿った計画を立案し、行動していくことが大切です。しかしながら従来的な計画では、財務目標が中心となりがちで、実際の部門ごとの行動では場当たり的になったり短期思考による対症療法的な行動が多かったりして、最終目標に到達できなくなったりしてしまいがちです。そのような欠点を補い、多面的な視点で業績を管理する手法としてバランススコアカード(BSC)というものがあります。
バランススコアカード(BSC)では、最終的な財務目標を実現するための戦略を実現するために4つの視点で具体的な目標を管理していきます。4つの視点とは、財務の視点・顧客の視点・業務プロセスの視点・学習と成長の視点の事です。
従来の手法とバランススコアカード(BSC)との違い
従来の経営計画とその管理について考えますと、多くの場合は財務指標を中心とした目標設定とその管理が中心だったといえます。財務的な目標設定とその管理は非常に重要であり、今後も企業の目標の中心となることは間違いありません。しかしながら、財務的な視点が先行してしまうと、経営の視点が短期的になり、場当たり的な対応になりかねません。例えば期末になって在庫処分的な売上経常や、短期的視点による行動からの顧客満足度低下等の状況が発生しえるわけです。また企業にとって財務的な指標が非常に重要で有るのと同様に非財務の資産や能力も非常に重要です。非財務の能力として考えられるのは、顧客、従業員のノウハウ・能力、効率的な業務プロセスといった財務の数字に直接表れない企業の能力です。
また、外部の顧客や取引先の満足と従業員の満足といった企業を取り巻くステークホルダーとのバランスも長期的な視点では非常に重要になります。
バランススコアカードは、バランスという名がつくとおり、財務と非財務、ステークホルダーと企業の関係、短期的・長期的な視野等の間のバランスをもって業績を管理していこうとすることに特徴があります。
中小企業でもバランススコアカード(BSC)を
バランススコアカード(BSC)のようなアルファベット3文字の管理手法のような言葉を聞くと難しそうに感じるかも知れませんが、考え方そのものは非常にシンプルであり分かりやすいものです。もちろんしっかりした意思を持って導入しないと宝の持ち腐れになってしまいますし、それなりの時間も必要です。日々の業務に忙殺されそれどころでないという中小企業の経営者の方も多いでしょうが、だからこそバランススコアカードのような管理手法にも目を向けていただきたいと思います。
企業のビジョンに即した計画を実現するためには全社員がその目標を実現するための道標を明確に認識していく必要があります。バランススコアカード(BSC)はその道標になり得るツールであり、組織のコミュニケーションを活発にできる可能性も有ります。資源の限られる中小企業であるからこそ、目標を実現するための効率的な手法を導入していくべきだと考えます。
今後バランススコアカードの特徴や作成についてまとめていきたいと思います。