カテゴリー別アーカイブ: 人材

中小企業の人材に話題を中心にまとめます

中小企業の雇用について考える – 転職理由1位は「安い給料」?

中小企業の人材と転職について考える

景気の先行きはまだまだ不透明で、政情不安も心配なところです。大企業と比較して体力の小さな中小企業にとってこの不安定な状態というのは何かと困るものであります。また雇用という点についても、景気悪化から学生の安定志向が強まり大企業への就職を望む学生が増えているというのはニュースでも見られる現状ですね。
そんな中、少し前のニュースですが、転職の理由の1位は「安い給料」というものがありました。
どの年代で見ても「安い給料」ということを理由に挙げた人は50%を超えていたそうです。中小企業の経営環境を考えた場合はこれは頭が痛い現実かもしれません。
現実問題として、就職を希望する学生は大企業に行くことを望み、転職を考える5割の人は給与を理由に考えている。中小企業が人材獲得に苦労する事も、このような理由から実際ありえるでしょう。

中小企業の経営改善・経営革新を考える場合、「人材」は非常に重要な財産であり、このような現実については中長期的になんらかの対策が必要になるでしょうね。

中小企業にとって大切な人材とは

給料が安いから辞めるのであれば、給料を上げればよい、というのはどのような企業であっても現実的な選択肢ではありません。
上記のニュースで考えると、転職理由の1位は「安い給料」です。それに続いて、2位は「今の仕事にやりがいを感じないから」、3位は「キャリアアップ・スキルアップしたいから」という理由が続きます。
中小企業にとって給料をいきなり上げるということは容易ではありません。しかし、「仕事へのやりがい」「キャリアアップ」というのは取組むに値する内容だと思いませんか?
中小企業の経営改善・経営革新を考える場合、会社で共に働く人がそのことにやりがいを感じてくれることが成功の鍵となるでしょう。人材の「やる気」「喜び」が経営力の向上に繋がっていくと考えられるのではないでしょうか。その先に「給与アップ」というのが現実の選択肢としてあらわれてくる考えられるのです。

そして、改めて「中小企業にとって大切な人材」とは?と考えてみると、やはり仕事へのやりがいやキャリアアップの喜びをもって共に懸命に働いてくれるような人材が大切な存在だと感じるのではないでしょうか。「お金」は必要なものであり、無視できないものですが、それを第一の理由に考える人は、良い仕事が別のところにあれば簡単に辞めてしまう可能性があります。その人がどんなに優秀でもお金でしかつなぎとめられないのであれば、チャンスができればすぐに転職してしまうでしょう。そのような人ばかりでは困るわけですが、上気したとおり、転職理由としてお金ではなく「やりがい」や「キャリア」を理由とする人も半数近くいるわけです。潜在的にはそのような人を定着化して育て上げることができれば会社にとっての真の「人財」と言える様になるでしょうね。

もちろん福利厚生や給与等の待遇も同時にできうる限り考えないといけません。生活のために最低限のことは必要になるわけです。何事においてもバランスが重要ですね。

自社の社員は「やりがい」を感じているでしょうか?将来に「希望」を持っているでしょうか?
そもそも、この質問にしっかりと答えることができるでしょうか?

私も中小企業出身の身であり、転職理由として「給与」と考える人たちの考えについてリアルなこととして考えることができます。それゆえに、企業での仕事のやりがいや、希望というものは重要であると感じています。
給与という理由はある意味表面的なもので、自身のやる気や努力を活かし、評価される場所でなら意欲がわくというものです。

働く人のやりがいを見出すような経営改善を進めていきたいものですね。

組織の活性化、やりがい、仕事の成果など、中小企業・零細企業の経営者様のご相談承ります。
いつでも気楽にご連絡ください。

中小企業退職金共済制度(中退共)のデメリットは?

【2012年11月21日更新】

新聞記事などによると、厚生労働省は、中小企業退職金共済制度(中退共)で、退職金を減額する検討を始めたそうです。

  • 予定運用利回りの引き下げや
  • 運用実績が想定を上回った場合の付加退職の減額

などを検討するようです。

運用難などで、積み立て不足が発生しているためとのことで、注意が必要です。

経営資源に乏しい中小企業にとって将来を考えて退職金の制度を準備することは引き続き非常に重要な取り組みです。中退共のような制度を利用することや、個人の運用を前提とした「確定拠出年金」の検討など選択肢はいろいろありますので検討しましょう。

では中退共のデメリットは?

多くのメリットがある制度で退職金制度を持たない企業にとっては、経営改善にもつながる制度でありますが、メリットがある以上はデメリットもあるでしょうね。それは何でしょうか。

・退職金は従業員の講座に直接振り込まれます。わかりやすいのですが、自己都合での退職なので退職金を減額するなどということはできません。懲戒解雇などでも基本的に同様です。また、特別な事情で減額が認められても、会社に掛金が戻ることはありません。
Continue reading

中小企業退職金共済制度のメリットなど

【2012年11月21日更新】

新聞記事などによると、厚生労働省は、中小企業退職金共済制度(中退共)で、退職金を減額する検討を始めたそうです。

  • 予定運用利回りの引き下げや
  • 運用実績が想定を上回った場合の付加退職の減額

などを検討するようです。

運用難などで、積み立て不足が発生しているためとのことで、注意が必要です。

経営資源に乏しい中小企業にとって将来を考えて退職金の制度を準備することは引き続き非常に重要な取り組みです。中退共のような制度を利用することや、個人の運用を前提とした「確定拠出年金」の検討など選択肢はいろいろありますので検討しましょう。

 

中小企業退職金共済制度にはいくつかのメリットがあります。それは以下のようなものが考えられます。

国からの助成

中退共では、新規加入時と、月額の掛け金を変更した際に国から助成を受けることができます。
・新規加入時
加入後4ヶ月から1年間の間、掛け金月額の2分の1を助成してもらえます。
(ただし、上限は5000円です)
助成を受けている期間に社員が増えた場合は、残存期間の間だけ助成を受けられます。

Continue reading

中小企業退職金共済制度

【2012年11月21日更新】

新聞記事などによると、厚生労働省は、中小企業退職金共済制度(中退共)で、退職金を減額する検討を始めたそうです。

  • 予定運用利回りの引き下げや
  • 運用実績が想定を上回った場合の付加退職の減額

などを検討するようです。

運用難などで、積み立て不足が発生しているためとのことで、注意が必要です。

経営資源に乏しい中小企業にとって将来を考えて退職金の制度を準備することは引き続き非常に重要な取り組みです。中退共のような制度を利用することや、個人の運用を前提とした「確定拠出年金」の検討など選択肢はいろいろありますので検討しましょう。

中小企業の退職金

中小企業においては退職金制度のない会社もあるのではないでしょうか。統計は少ないのですが、東京都が都内の中小企業を対象に調査した資料を見ますと、規模の大きめな企業(100人超~299人)ですと、9割超の企業が退職金制度を持っていますが、それより小さな規模になると制度を導入していない企業が増えてきます。
退職金制度を導入する以上は、退職金規定の整備、退職資金の確保・積み立てなどが必要ですので、資金的に余裕のない中小企業にとって負担は軽くないでしょう。
しかしながら、最近の景況の悪化や、将来の年金に対する不安などを考慮すると、中小企業であってもしっかりとした退職金制度があるのは、従業員にとっても安心ですし、企業に就職する人にとっても心理的な効果があると考えられます。

中小企業に適した退職金制度

中小企業に適した退職金制度として、中小企業退職金共済制度(中退共)という制度があります。これは国により、「中小企業退職金共済法」により定められた制度であり、規模の小さな企業にとって様々なメリットのある制度であります。メリットを最大限に利用できれば、経営改善にもつながりますね。

制度の仕組みは以下のようなものです。
・独立行政法人勤労者退職金共済機構 中小企業退職金共済事業本部と「退職金共済契約」を結びます
・事業主は毎月掛け金を納付します
・従業員が退職したら、その従業員の請求に基づいて、中退共から直接従業員に退職金が支払われます

加入できる企業は、以下のような企業です。
・一般業種(製造業・建設業など) : 従業員300人以下 または 資本金3億円以下
・卸売業: 従業員100人以下 または 資本金1億円以下
・サービス業: 従業員100人以下 または 資本金5千万円以下
・小売業:  従業員50人以下 または 資本金5千万円以下
従業員と資本金の条件はどちらか片方が該当すれば、加入できますので多くの企業が対象となるでしょう。

加入することで、国からの助成や税制の優遇など様々なメリットがあります。それについては、次回にまとめます。

正規雇用を支援する政策(若年者等正規雇用化特別奨励金)

失業率は高い水準で推移しております。また就職を希望しながらも、長い間フリーターとして働いているような若者もいるでしょう。中小企業の新規雇用における選択肢の一つとして経験はなくともやる気のある若者に入ってもらうのも良いでしょう。

そのような雇用を支援するための政策として「若年者等正規雇用化特別奨励金」というものがあります。平成24年3月31日までの暫定措置です。

内容としては「長年フリーター及び30代後半の不安定就労者」又は「採用内定を取り消されて就職先が未決定の学生等」を正規雇用する事業主が一定期間ごとに正規雇用している場合奨励金が支給されます。
中小企業の場合は合計で100万円になります。

対象労働者はハローワークの紹介で雇用する必要が有ります。対象となる労働者を紹介してもらえるように求人を出すことが必要になりますね。

また、年長フリーターを正規雇用する場合は、「トライアル雇用活用型」を利用することも出来ます。トライアル雇用については別途「試行雇用(トライアル雇用)奨励金」という制度があり、対象労働者を試行雇用することについての奨励金をもらうことが出来ます。この制度と併用すれば、有能な人材を奨励金つきで雇用する機会を得られるかもしれません。

人材の雇用はどのような会社にとっても大切で難しい課題です。会社にとって必要な人物像を明確にして、このような制度を活用していくことが課題を解決する一つの選択肢になるでしょう。

若年者等正規雇用化特別奨励金、試行雇用(トライアル雇用)奨励金についての詳しい情報は「事業主の方への給付金のご案内」を参照してください。

正規雇用を支援する政策(派遣労働者雇用安定化特別奨励金)

雇用状況はまだ不透明で失業率は5%超の状態で推移しております。また派遣法の改正により派遣業界には何らかの規制強化がされそうな状況になりつつあります。雇用環境の更なる悪化は市場全体へも悪い影響が出るでしょう。中小企業診断士の私としても注視すべきことだと思います。

しかしながら中小企業にとっては、就業できない優秀な人材を獲得できる機会が増えるかもしれません。悪い状況の中でも前向きな対応が求められますね。

現在派遣労働者に来てもらっている会社で、今後その業務について派遣労働者を正社員として雇い入れしたいと考えておられる場合は、「派遣労働者雇用安定化特別奨励金」の支給を受けられるかもしれません。平成21年2月6日~24年3月31日まで実施されます。

内容としては6ヶ月を超える期間継続して労働者派遣を受け入れており、その派遣労働者を直接雇い入れた場合に、最大で合計100万円の奨励金を受けられます(期間の定めのない労働契約の場合)。
優秀な人材を獲得した上に、奨励金ももらえるのであれば、中小企業の事業主にとってはとても大きな助けになるでしょう。
ちなみにここでいう派遣労働者は、紹介予定派遣ではありませんので、その点注意が必要です。

事業主の方への給付金のご案内は「事業主の方への給付金のご案内」を参照してください。

中小企業向けの緊急雇用対策(助成金)

年末年始から若干株価も上向いておりますが、中小企業にとっての業況はまだまだ厳しいですね。仕事も減り雇用を守ることも大きな課題になっている経営者様も多いかと思われます。

ご存知の方も多いかと思いますが、国でも中小企業の雇用を守るための政策を行っております雇用調整助成金」の制度がそれにあたります。(事業主の方への給付金に関連したリンクは「事業主の方への給付金のご案内」を参照してください。)

この制度では、景気の変動等の要因で、事業活動を縮小せざるを得なくなった事業主の方で、従業員を一時休業させたり、一時的に教育訓練や出向させた場合にその手当又は賃金の一部を助成してくれるという制度です。支給の条件として、直近3ヶ月の売上高(または生産量など)がその直前の3ヶ月もしくは前年同期と比較して5%以上減少していることなどがあげられています。(前々年と比較して10%減少し、かつ直近の経常損益が赤字の場合も含まれます。中小企業の事業主に対しては更なる緩和措置があります)

細かな条件はありますが、やむなく従業員の休業措置を取らざるを得ない事業主の方にとっても少しでも助成金が得られるのは大きいと思います。また休むだけでなくこのような状況の中でも教育に力を入れ次の戦略に備える助けにもなるでしょう。

休業という状況にならないことがまずは大切ですが、やむない状態になった場合の大きな助けになるはずです。
中小企業の経営改善・経営革新のためにも雇用は守りたいですね。

中小企業の雇用

政府が成長戦略の基本方針を策定しましたね。

100兆円超の需要と470万人超の雇用を創出するとか。具体策があいまいであるため鵜呑みにはできませんが、このような成長を目指すこと自体は大切なことです。しかしながら足元の雇用情勢は厳しく、2009年11月の失業率は5.2%だったそうです。しばらく安心できるような状況にはならないでしょう。

新規の雇用だけでなく中小企業の経営者にとっては「雇用を守る」ということも大きな課題。企業にとって人材は宝です。不景気で売り上げが下落傾向の中でも雇用を守るというのは並大抵のことではありません。また将来に目を向けると新しい人材の確保も重要な課題。不景気で求人が少ないからこそ優秀な人員を確保するチャンスであります。しかしながら、新規の採用を行うための余力がないという状況。。。難しいですね。人材は企業の宝。中小企業の経営改善・経営革新にも人材は大切です。

しかしながら、そのような中でも工夫をして前進していかなければいけません。政府も中小企業の雇用対策を支援する政策を打ち出しています。具体的な内容はまたこのブログでも紹介したいと思います。