中小企業の経営改善 下請代金支払遅延等防止法の対象取引内容

下請代金支払遅延等防止法で対象となる取引

 下請代金支払遅延等防止法(下請法)においては、取引内容と資本金の区分から親事業者と下請事業者を区分しており、該当する場合はその取引を下請取引として法律による規制対象としております。それでは、下請代金支払遅延等防止法(下請法)において対象となる取引の内容は大きく分けて製造委託・修理委託・情報成果物作成委託・役務提供委託が該当します。それぞれどのような内容でしょうか。

製造委託
 原材料に一定の工作を行い、新たな物品を作ったり新たな付加価値を付けたりする事を委託する場合が対象となります。ですので印刷業のような事業も対象となります。
・物品の販売を行っている事業者が,その物品や部品などの製造を他の事業者に委託する場合。
・物品の製造を請け負っている事業者が,その物品や部品などの製造を他の事業者に委託する場合。
・物品の修理を行っている事業者が,その物品の修理に必要な部品又は原材料の製造を他の事業者に委託する場合。
・自社で使用・消費する物品を社内で製造している事業者が,その物品や部品などの製造を他の事業者に委託する場合。

修理委託
 修理とは,元来の機能を失った物品に一定の工作を加え,元来の機能を回復させることをいいます。メンテナンスや点検の場合は役務提供委託の対象となります。
・物品の修理を業として請け負っている事業者が,修理行為の全部又は一部を他の事業者に委託する場合。
・自社で使用する物品を自社で修理している事業者が,その物品の修理行為の一部を他の事業者に委託する場合。

情報成果物作成委託
 プログラム、映画・放送番組・音声や音響で構成されるもの、設計図やポスター等が対象となります。
・情報成果物を業として提供している事業者が,その情報成果物の作成の行為の全部又は一部を他の事業者に委託する場合。
・情報成果物の作成を業として請け負っている事業者が,その情報成果物の作成の行為の全部又は一部を他の事業者に委託する場合。
・自社で使用する情報成果物の作成を業として行っている場合に,その作成の行為の全部又は一部を他の事業者に委託する場合。

役務提供委託
 役務提供委託とは,請け負った役務を再委託することをいいます。
・役務の提供を業として行っている事業者が,その提供の行為の全部又は一部を他の事業者に委託する場合。

役務の提供については、建設業法に規定される建設業を営む者が業として請け負う建設工事は対象となりません。ただし建設業法において下請事業者の保護は別途図られているため建設業法の規定に従う必要があるということになります。
また役務は委託事業者が他者に提供する役務のことであり、自ら利用する役務は含まれないという点に注意が必要となります。

上記のように幅広い事業において対象となっています。
自社が下請代金支払遅延等防止法の対象となっているかどうか改めて確認してみましょう。

【参考】
中小企業庁
公正取引委員会 : 下請法

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