経営に必要なものは?と問われるといろいろな考え方が出てきますが、その中の一つには「売上」や「利益」が必ず出てきますね。では、売上や利益をどのように獲得するのか?と言いますと、究極的には、「商品・サービス」をつくって、「顧客」に提供することでしか得られません。 このように突き詰めていくと、経営の根底には、「モノ(商品)」と「人(顧客)」しかないのです。それを支える前提として組織をはじめとした経営資源がある。どれも大切ですね。
その中の一つである「顧客」を獲得する、維持するためには何ができるのか?営業戦略の肝になってきます。いかに顧客を獲得していくのか?を考えることが戦略の視点になってくるわけです。
最近は、Amazonや楽天をはじめとしたインターネットでの販売サービスが力を付けています。そのような中で、小売りやコンビニが何に力を入れているか?その一つが「宅配」であったりします。地域のお店が届けてくれる安心感もあるでしょうね。この宅配をすることによって、お客様にとっての利便性が上がっています。では、その利便性とは突き詰めていくとなんなのか?
それは、「時間」と「距離」であるわけです。通販や宅配は、お店に行く時間がなかったり、お店まで遠くてなかなか行けない人にとってとりわけ便利なサービスです。とくにお店が近くにないなら近くまで事業者側から向かうというのは一つのアイデアですね。
これはBtoCの例ですが、事業者間でのBtoBでも「距離」の価値が重要になる場合があります。「いつでも連絡が取れる」「レスポンスが良い」「定期的な営業フォローがある」などがそうです。同じ条件であれば、より身近に「感じる」会社を選択したくなるのが人情というものです。もちろんそれに伴った品質や提案は必要なのですが。 逆に「距離」は近いばかりでなく「遠い場所」というのも選択肢になる場合があります。たとえば震災など自然災害を想定した場合にリスク分散のために仕入先を複数地域に分散するなどが良い例です。コストとのバランスもありますが、「遠いからだめ」という固定観念を捨てて、今の現状に価値を見出してみる努力が新しい可能性を開いてくれます。
顧客との距離にどのような価値を定義できますか?