信用保証協会のセーフティネット保障制度について

中小企業の経営を支える国のセーフティネット対策

 中小企業基盤整備機構による中小企業倒産防止共済(経営セーフティ共済)については簡単に説明しました。今回は、信用保証協会によるセーフティネット保障について説明します。
 これは取引先の倒産や、災害等で経営に支障をきたしている中小企業について、補償限度額を別枠化して、中小企業の資金調達を行いやすくする制度になっています。

保障の条件は、次のいずれかに該当し、本店(個人の場合は主たる事業所)の所在地を管轄する市町村長又は特別区長の認定を受けた者であることです。
 ・大型倒産の発生により影響を受けている中小企業者
 ・取引先企業のリストラ等の事業活動の制限により影響を受けている中小企業者
 ・突発的災害(事故等)により影響を受けている中小企業者
 ・突発的災害(自然災害等)により影響を受けている中小企業者
 ・全国的に業況が悪化している業種に属する中小企業者
 ・金融機関の破綻により資金繰りが悪化している中小企業者
 ・金融機関の相当程度の経営の合理化(支店の削減等)に伴い借り入れが減少している中小企業者
 ・整理回収機構(RCC)に貸付債権が譲渡された中小企業者のうち、再生可能性があると判断される者

信用保証の別枠化ですので、セーフティネット共済のように、積み立てなどは必要ありません。しかしながら、上記一つ目の「大型倒産」については、「指定事業者リスト」が公表されており、その企業と取引がある場合に対象となるなど、条件があります。セーフティネット共済の場合は、倒産企業の指定はないので、この辺りはスタンスが異なりますね。しかしながら、取引先の事業活動の制限や、指定業種に属している中小企業に該当すれば、信用保証の別枠化の対象となります。

信用保証とは

 信用保証とは、単独で資金を借りられない中小企業が信用保証協会に保障してもらうことで、銀行から資金調達できるようにすることです。貸し出す銀行にとっては信用リスクの軽減につながりますし、中小企業にとっては、資金調達による経営改善や、革新の一手となるわけです。もし、何らかの事情で中小企業が銀行に対して返済できなくなった場合は、信用保証協会が中小企業に変わって代位弁済してくれます。
 代位弁済してもらったからといって、借金がなくなるわけではなく、それ以後は中小企業者は信用保証協会と話し合いの上返済していくことになります。現実的な返済について話し合うこともできるので、中小企業にとっても大きな安心になる可能性がありますね。

売り上げを上げ、適正な利益を得ることで次の投資を行っていき、経営改善していくというのが健全な姿ではありますが、大きな危機が訪れた場合の資金調達の手段に選択の幅があるのはとても重要ですね。このような支援策については常に情報を持っておきたいものです。

参考サイト:中小企業庁のセーフティネット保証制度


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