中小企業経営改善 - 効率化を抽象論にしない

『効率化』を具体化していく

選挙も近くなってきていますが、新聞やニュースを見ていると、「~は抽象的で、具体性に欠く」というような論調が見受けられます。

確かにそういう側面はあります。
例えば数字目標がなかったり、いつまでに何をするかが全く語られなかったりといった状況においては、「抽象」と言われるのはわからないでもないですね。

では、「効率化をする」という目標についてはどうでしょうか?
例えば政治では現在社会保障についての関心が高まっていますが、「サービスの効率化」で給付を最適化していくという話が出たりしています。
これを「抽象的」と指摘する声もあるわけです。同意する人も多いかもしれませんね。

『効率化』という題目は抽象的か?

経営においても、業務の「効率化」を謳う場合があります。
それに対して、効率化だけでは「抽象論」だという反対意見が出ることも多いでしょう。
しかし、「効率化」という目標が抽象的かどうかというのは、それほど単純なものではありません。

『効率化』という目標が抽象論に終わるかどうかはそのあとの行動によって決まります。
効率化を目指す中で、
1.現状を把握し、非効率な部分の検討を行う
2.非効率な部分についての理想とのギャップを洗い出し解決策を検討する
3.期限を切って、効率化策を実行する
4.実行した結果について反省を行い、さらなる改善を続ける
ということを行わないといけません。

このような取り組みを行うために「効率化」するという意思を示すのであれば、これは抽象論でもなんでもありません。

効率化しますというお題目に対して「抽象論だ!」と切り捨てて、「何もしない」のであれば、それこそ何も生まれない価値のない議論で終わってしまいます。

「効率化する」というのは組織や従業員や経営者の「意思」であります。
この意思を否定してしまえば、そこからは何も生まれません。
効率化とか適正化とか営業強化というのは単なる言葉であり、それに意味を与えるのは経営者の仕事であります。

「~は抽象論だ!」という否定は、言ってしまうとそれが経営者の「意思」として従業員は認識してしまうはずです。

「~は机上の理論だ!」というのも同じで、机上だけで批判しているから変な意味になってしまうわけです。
机上の理論を実行し、意味を創造することも経営者としての重要な仕事です。

最初から細かな数字まで出せることはありませんし、未来の予測を正確に行うこともできません。

まずは「意思を示し」その中で具体的なアクションや目標に落とし込んでいくステップが必要で、そのための経営者としての後押しがとても大切になります。

経営戦略や経営力向上のステップとはそのようなものであります。
言葉をどのように定義するのか?どのような方向に向かうのか。それは経営者が決められることであり、決めても良いのです。
抽象論や、机上の理論が「やらないための理由づけ」になってしまっていないか考えてみましょう。

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