中小企業の知的資産経営 経営改善にどう活かすかを考える

中小企業の知的資産を経営改善にどのように活かすか

 中小企業の強みとなりうる知的資産をSWOT分析等を通じて特定したら、次は、その知的資産は企業にどのように活かされてきたか、そして今後どのように活かしていくかということを改めて考えます。知的資産はただ存在するだけではなく、知的資産として認識された以上、企業にとって何らかの役に立ってきたはずです。それがどのような形で活用されてきたのかを説明できるようにしたいわけです。

 それを考える際は、「過去~現在」の視点と、「現在~未来」の視点で説明できるようにまとめて行きます。「過去~現在」は企業がどのような理念でどのような考えで展開・投資等を行って、どのように知的資産を活かし蓄積してきたか、そしてその結果としてどのような状況になっているかをまとめるということになるでしょう。「現在~未来」の視点では、次にどのような経営方針を元にどのような行動をするか、どのように知的資産を活用し伸ばしていくのかというその目標を語ります。
 一連の流れは断絶したものではなく、ひとつづきの「物語」となるはずです。

過去~未来への一連の流れをまとめる際の留意点は以下のものです。
・知的資産をどのように活かし、どのように獲得していくか
 これまでの知的資産を今後どのように活かし、強化していくか、そして新たな知的資産をどのように獲得していくのかという視点で事業展開を俯瞰してみるとよいでしょう。業務の流れと自社の知的資産の関連がより明確になりイメージしやすくなりますね。

・知的資産が、自社の財務にどのように関連していくかを意識する
 企業の最終的な成果は、法律上は決算書として現れます。知的資産はその決算数字には表れにくい企業の力ですが、知的資産がどのような形で決算の数字に結びついていくのかという流れについても意識する必要があります。知的資産報告書の作成でも必要となりますが、自社の経営活動の中で目標を管理するためには、何らかの形で計数管理をする必要があります。計数で最もわかりやすいのは財務数値となるでしょう。直接・間接的にどのように関連付けていくのかを意識して、目指すべき企業の姿を業務の視点や財務の視点といった様々な視点で語れるようにするということです。

これらの「関連」がわかりにくいと、取引先や投資家、金融機関などの関係者が見たときに知的資産がどう役になっているのかが伝わりにくくなります。様々な視点も包含した形で、企業の有るべき姿を物語れるようにしたいですね。

参考:経済産業省 – 知的資産経営ポータル

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