資本効率の業界別の比較
中小企業の経営分析において、資本の効率性を分析することは資本の活用状況を判断するための良い指標となります。資本の効率的な活用が出来ていれば、投下した資本が売上につながり最終的な利益につながっていくでしょう。そして資本を効率的に活用できていれば、資本利益率も上がっていく可能性があります。理想としては、資本効率が高く、利益も高いと言うことになりますが、資本効率は単純に高ければよいと言うものではなく、効率的に売上を上げ、最終的には高い利益を実現すると言うバランスが大切です。様々な指標との組み合わせの中で資本効率も見ていくことが経営改善には重要です。
他の指標と同様、指標は自社の経年での変化や同業他社との比較の中で経営改善ポイントを考えていくことが大切です。
以下に中小企業実態基本調査より算出した中小企業の業種別の資本効率性の指標を一覧します。
資本効率性(平成19年度決算の統計より)
業種 | 総資本回転率(回) | 固定資産回転率(回) | 売上債権回転期間(日) | 棚卸資産回転期間(日) |
---|---|---|---|---|
全業種 | 1.31 | 2.92 | 50.80 | 29.18 |
建設業 | 1.35 | 4.20 | 47.00 | 35.57 |
製造業 | 1.15 | 2.62 | 68.78 | 36.73 |
情報通信業 | 1.43 | 4.58 | 56.05 | 13.31 |
運輸業 | 1.28 | 2.20 | 44.47 | 1.17 |
卸売業 | 1.94 | 6.26 | 62.79 | 20.23 |
小売業 | 1.84 | 4.03 | 28.94 | 26.71 |
不動産業 | 0.43 | 0.75 | 13.07 | 151.61 |
飲食・宿泊業 | 0.86 | 1.09 | 8.98 | 6.00 |
サービス業 | 1.24 | 2.00 | 29.87 | 4.30 |
総資本は期中の平均で計算することも多いですが、今回は期末時点のもので算出しています。
様々な比較を通じて自社の経営改善のポイントを探してみましょう。自社に遊休資産や過大な在庫が多くある場合は資金繰りにも影響が出てくることも考えられます。計算するだけでなく経営改善につなげていくように活用していきましょう。経営改善についてお悩みのこと等ありましたら、お気楽にご連絡ください。
自社の資本効率を計算するには収益性分析のページをご利用ください。