知的資産経営報告をを作成し、関係者に見える化を実施
知的資産を特定し、管理方法を決めたら、知的資産経営報告書として見える形にしていくということを考えます。内部的に管理するだけでなく企業経営を取り巻くステークホルダーに見えるようにすることで、中小企業の事業計画に説得力が増しますし、関係者の理解を得ることで更なる経営改善が期待できます。
知的資産経営マニュアルでは知的資産経営報告書のチェックポイントとして以下のような項目を挙げています。
・価値創造のストーリーは経営方針と整合的かどうか
・価値創造のストーリー、内部管理指標、及びストーリーの裏づけ指標は説得力があり、効果的なものか
・営業秘密や競争上の問題はないか
・他の開示情報(事業報告書等)と整合的か
・指標として利用した定量情報は正確か
・参照情報は充分か
知的資産の特定や今後の事業展開を計画する際に上記のような部分を意識して考えていくと良いでしょう。
また知的資産経営マニュアルやガイドラインでは、知的資産による経営改善を図るための経営指標についても代表的なものが挙げられています。このようなマニュアルやガイドラインを元に報告書を作成していくことで全体的な整合性や実現可能性も増してくることでしょう。
またガイドラインや各種資料の中で具体的な知的資産報告書の事例も書かれています。このような企業の事例を参考として自社の現状の取り組みとどのような違いがあるかを見てみるのも良いきっかけとなるでしょう。
もちろんやるべきことは沢山あり、非常に難しい部分もあるでしょう。自社だけではじめることが難しい場合は中小企業診断士や税理士といった外部の専門家に相談してまずは一歩を踏み出してみることが大切でしょうね。それもまた経営改善なのです。