知的資産を管理するため管理指標を決める
ここまでは、中小企業が知的資産経営を行うにあたり、知的資産を見つけ、その知的資産が、経営にどのように関連づいているかを理解し、そして過去~未来にかけてどのような経営をしていくかをストーリーとして語れるようにするということを書いてきました。
このようなステップを踏むことで企業経営の方向性が見えてくるでしょう。
次は、それを行動に移していくにあたって具体的に何をするかを決めていく必要があります。そして管理方法を明確にするという段階でもあります。知的資産は財務諸表等に表れにくい企業の力です。そのままの状態では、あいまいな部分が多くなり、具体的な改善の仕方や効果が見えにくくなります。つまり管理がしにくくなるということですね。管理をしやすくするためには、「管理指標」を決めていくということが必要になります。指標ですので、できうる限り何らかの数値やそれに変わるわかりやすい単位で管理できるものが良いでしょう。
知的資産を体系的に管理していく方法として、BSC(バランス・スコアカード)という手法があります。これは、財務の視点、社内ビジネス・
プロセスの視点、顧客の視点、学習と成長の視点という複数の視点でバランスよく目標を設定し管理していくことで、目標実現のためのプロセスをよりわかりやすくする手法です。BSCについては、別途まとめていきたいと思います。
何をするのか、そしてそれをどのように管理していけば目標を実現できるか。大げさに考えることはなく、小さな経営改善を積み重ねていく場合でも同じように考えていくことでより実現の可能性は高まるでしょう。そのような積み重ねも立派な知的資産になるのです。