中小企業の経営改善のための研究・イノベーションの大切さ
中小企業が自社の強みを持つことは厳しい環境に打ち勝つためにも重要です。そのような事を前回まで書きましたが、強みを作り出すための研究・開発やイノベーションがますます大切になってくるでしょう。イノベーションとは、「新しい価値を生み出すような変化」であると考えられます。不況で業績悪化に苦しんでいる今だからこそ変化をしていく必要があるという風に考えられるのではないでしょうか。
中小企業白書に見る研究開発の重要性
中小企業白書を見てみると、中小企業における研究・開発の活動の重要性が見えてきます。
・研究開発費が売上高に占める割合が高い企業ほど、営業利益率も高い傾向にある
・イノベーションを実現し、売上高に占める新製品の比率が一定程度高い中小企業ほど、売上高が増収傾向にある
以上のような特徴が見えてくるそうです。新しいことにチャレンジする中小企業は元気で経営改善もできているのでしょうね。
また、研究開発に取組む中小企業は、「経営者のリーダーシップやチャレンジ精神」に力点を置いて活動している傾向も見られます。もちろん従業員による創意工夫も大切で重視されております。
そして、ニッチ市場においては、中小企業がイノベーションの担い手になっている傾向が見られます。このことから、中小企業は大企業と直接競合するのではなく、ニッチな市場で独自の強みを作り出していくことが重要になるのでしょう。
また、中小企業は、経営者と社員の一体感や、きめ細かく、迅速で、独創的な対応を、自社の強みとして認識している、とあります。規模の経済性や、製品そのものではなく、「人」が重要になってくるのでしょうね。
大切なことは、経営者が熱意を持って、そして、経営者と社員が一体となって新しいことにチャレンジしていく、そのような姿勢であると考えられます。統計に表れるのは、ある時点での結果の傾向でしょう。研究開発をしたから自動的に業績が良くなるわけではありません。「研究開発や様々なチャレンジと変化への適応に、熱意を持って取組む意識があり、そのような組織をつくりあげている企業」が少しずつ成果を重ね、統計の数字に乗ってくるのです。
まずはチャレンジする心を持つこと。そこから全てが始まるでしょう。
参考:中小企業白書