中小企業の従業員のメンタルヘルスの視点での経営改善
近年、職場のストレスや鬱についてのニュースが出る機会が増えてきています。職場における人間関係や仕事の成果など様々なプレッシャーの中で大きなストレスが生まれており、「メンタルヘルス」に目を向ける必要があるご時世になっています。これは中小企業の経営においても対岸の火事ではなく、「人」が重要な経営資源であることを考える場合に避けて通れない課題であるといえますね。
国としても職場のメンタルヘルス対策を義務化する方針も出てきており、しっかりと目を向ける必要があるでしょう。
人材=人財と言える重要な経営資源として
起業において重要な人・モノ・金・情報という資源の一角である「人」がいかに大切にその力を発揮させるのかは重要なテーマです。
中小企業においても
・経営目標を達成するための前向きな従業員の取り組み
・現行業務を改善するための従業員の取り組み
・成果に対しての評価や、自身の将来に明るい未来を描けるビジョン
という視点で、人材の力を出すための経営改善をするとともに、
・過度なストレスで、人材のもつ潜在力を削がないように
・人間に「心」があり、鬱やストレスを根性論で語らない
ようなバランス感覚が求められます。
ストレスや、鬱といった状態の放置やメンタルヘルス対策を避ける企業の経営は、
・人材の持つ能力を活かせない
・労災の請求などの発生可能性
・告発などのリスク
など多くのリスクを抱えることになります。
逆にいうと、
・従業員のメンタル面のサポートにより能力を活かし経営目標の達成する取り組みとする
・従業員と経営層が向き合い、コミュニケーションをする企業風土を醸成
・従業員の離職率低下や新人受け入れ態勢などの組織力の向上
といった経営改善の視点と合わせて人を活かす取り組みを行うことが大切になります。
メンタルヘルスは義務でも企業にとっての主にでもなく、人の「心」を軸とした経営改善のきっかけと考える方が健康的でしょう。
高度な経済成長や、好景気が望めない情勢が続きます。社会保障、不安定雇用など将来への不安が多い社会情勢になっています。営業も「足で稼げ」ばなんとかなるという状態ではなくなってきています。情報化やグローバル化など競争環境の激しさや変化の速さが増しています。
社会状況を見回しても、人の「ストレス」の種はずっと増えています。
そのような状況において、人のストレスを「個人の問題」とせず、経営の問題として取り組みを考えて見ましょう。
・従業員に過度な負担がかかっていませんか?
→労務管理面に問題がないか?改善ポイントがないですか?
・従業員が経営に参画しているか?
→経営改善の取り組みや目標設定・達成のプロセスに従業員も参画しているか?
作業を「させる」だけでなくともに考え行動する風土があるか?権限の委譲ができているか?
従業員に「まかせる」意識が経営者としてあるか?
・従業員とのコミュニケーション状況の改善ができないか?
→従業員の悩みなどを聞く姿勢があるか?
従業員が自身の悩みを語ってくれるか?そのような雰囲気が職場にあるか?
従業員間での協力体制ができているか?
・経営計画・ビジョンの達成に従業員の評価がリンクしているか?
→目標を持ち、達成した際の評価がなされ、自身の未来に明るいビジョンが描けるか?
納得感のある評価のフィードバックを行う体制があるか?
(経営に対して冷めた意識が従業員に浸透していないか?)
中小企業にとって従業なのは売り上げをしっかり確保し、利益を達成し、企業が永続することです。
そのためには、経営ビジョンを定め、目標を実現するための具体的な取り組みを策定し、実行する必要があります。
そしてそのような目標や組織を作り、行動するのは最終的には従業員です。
経営者の立てた目標を単に「やらせる」存在ではないという視点が必要です。
これは企業にとっての義務や負担と考えるものではなく、当然の「機会」ととらえる方が良いことなのですね。
「人」の視点での経営改善を検討してみましょう。いつでも経営相談承ります。