インストア・マーチャンダイジング(ISM) | 客単価と客数の構成要素

インストア・マーチャンダイジング(ISM)の考え方で経営改善

インストア・マーチャンダイジング(ISM)のお話で、売上=客単価×客数というお話をして、客単価と客数の構成要素について説明しました。
それらの構成要素について少し詳しく説明します。
インストア・マーチャンダイジング(ISM)というと、店舗経営における指標と考えてしまいますが、これらの「考え方」そのものはBtoBビジネスやネットショップビジネスにおいても応用できると思います。実態に合わせた構成要素というものに分解して検討することが大切です。中小企業の経営改善においても是非とも検討したい視点です。

【客単価の構成要素】
1.動線長
 動線長とは、文字通りですが、お客様が店舗内で動く長さ(距離)の事です。基本的にこれが長くなると、店舗内のいろいろな場所を回って頂いているという事になりますので、長い方が良いという事になります。ただ、だからといって、お客様を長く「歩かせる」ことが目的ではありません。店舗内のあちこちに「行きたくなる」仕掛けづくりが必要になります。店舗内のあちこちを回ってもらうためには、そのような店舗づくりや効果的な「マグネット」といわれる要所を設けることが必要になります。

2.立寄率
 それぞれの売り場にどれだけ多く立ち寄ってもらえるかということです。お客様が計画購買だけで購買する場合は、立ち寄り率はおのずと小さくなってしまいます。いかに、非計画の購買をしていただくかというポイントになってきます。そのために、陳列方法やPOP等の工夫をしていくことになります。

3.視認率
 立ち止まった場所で、どれだけ個々の商品を見ていただくかという事です。陳列の方法や個別のPOP・メッセージなどで、販売機会のロスも抑える必要があります。

4.買上率
 商品の中でどれだけのものを手にとって買ってもらえるかという事です。価格設定やPOP、プロモーションなどとの関連で戦略を立てる必要があります。単純に低価格にすれば良いという事ではなく、買いたくなるプロモーションを実施する必要があります。

5.買上個数
 文字通り、買っていただく個数です。多ければ良いですね。まとめ買いをしたくなる工夫や、関連購買の誘発作など工夫をする必要があります。

6.商品単価
 買っていただくものはできるだけ適正な単価であることがビジネス上は重要です。単に安くするばかりではなく、付加価値を含めて価格に「納得」してもらうための方策が大切になってきます。

【客数の構成要素】
1.商圏の客数
 店舗や会社の立地場所のどこまでが商圏かを定義し、その地域のターゲットとなる顧客がどのくらいかを検討する必要があります。時間帯によっても想定される客数は変わるはずです(労働人口など)。また、競合店の立地関係や経営状況・戦略などの関係も把握することが大切になります。

2.来店頻度
 どのくらいの頻度でお客様が来るのかということです。日用品であれば比較的頻度は高くなります。この頻度をいかにあげるのかが重要になってきて、お客様にリピーターになって頂く、新規のお客様に来ていただくという視点での施策が求められます。広告、インストア・マーチャンダイジング、商品・サービス品質等の総合で来店頻度を上げていきましょう。

以上それぞれの構成要素の簡単な説明ですが、小さな会社の経営改善においてもそれぞれの構成要素の一つ一つについて見直すことができるはずです。自社の現状の把握から始めてみましょう。

経営改善において、立てた目標を達成するためには、ゴールに向かう一連の作業や取り組み・資源を分解して、小さな一歩を積み重ねることが大切です。目標達成のために何をしなければいけないのか、それらの取り組みがどのように関連しているのか、というストーリー作り(戦略)が非常に重要です。また小さな取り組みに分けていけば、小規模企業においても十分に取り組み可能であるという事が分かってくるはずです。

経営改善・売上向上のご相談いつでもお受けいたします。

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