インストア・マーチャンダイジング(ISM)を検討する

売上を上げたい。多くのお店や企業がそう思っています。経営目標においても「売り上げ○○円」とか「○○%向上」という目標を掲げている会社が多いでしょう。
でも、いざ、売り上げ増を実現しようとすると難しい。当たり前のことですが、「売り上げが下がっているから、売り上げを上げろ」というのは、ほとんど意味のない作文で終わってしまいます。

なんでもそうですが、売り上げを上げるとか、複雑なシステムや機能を開発するとか、顧客満足を向上させるというようなことを実現するには、その目標を達成するためのステップや構成要素に分解して考えてみるとわかりやすいものです。

売上を構成する要素とはなんでしょうか。
もっとも単純に考えると以下のようになります。
 売上 = 客単価 × 客数
売上を伸ばすには、客単価か客数を伸ばす必要があるということです。単純ですね。

しかし、この2つがわかっても、では客単価を伸ばすにはどうすればよいのか、客数を増やすにはどうすればよいのかという課題になってきます。これもそれぞれについて細かく自社の単価や客数を増加させる要因を探っていくことが必要になります。分解したそれぞれの要素を伸ばす取り組みがそのまま「戦略」となる場合もあります。

客数はどういった要因が考えられるでしょうか。
 客数 = 商圏に存在する潜在的な客数 × 来店頻度
と考えられます。インストア・マーチャンダイジングにおいては、お店に来る客数を想定するわけですが、もしBtoBビジネスにおいて同じように考えるのであれば、商圏見込み客×アポイント率などで代用してもよいでしょう。

そして客単価はというと、お店でいえば
 動線長 × 立寄率 × 視認率 × 買上率 × 買上個数 × 商品単価
というような構成要素が一般的に考えられます。

タイトルにあるインストア・マーチャンダイジングとは、小売りの店頭で、品揃えや商品構成・陳列を効果的・効率的になるように検討する収益を最大化する活動です。
客単価を上げるためには、店をいかに回遊してもらい、商品を手にとって購入してもらうのかという課題に取り組む必要があるわけです。

なぜ、このような取り組みが必要かというと、お客様が物を買う際に、事前に計画して購入する計画購買ばかりでなく、実際は「非計画購買」といわれる購買が多いという現実があるからです。日用品などで考えると、何を買うかを店に行く前に全て決めている人は少ないでしょう。店頭で見て買うことも多いはずです。スーパーなどではそのような非計画購買が全体の7割~8割を占めるとも言われています。この割合を考えても、インストアプロモーションの大切さがわかりますね。

非計画購買の要因としては、
 想起購買:家の在庫がないことを思い出すなど
 関連購買:他の商品との関連性から購入する
 条件購買:特売やクーポンなど強く要因がある場合に購入する
 衝動購買:気分や雰囲気など衝動的に購買する
などがあります。購買における大きな要因となっている非計画購買を増やすためには、上記の要因を発生させるためのプロモーションを店内で行うことが重要であるという事が想定されます。
このような考え方は店舗経営において有効であり、BtoBビジネスやネットビジネスにおいてはあまり関係ないと考えてしまうかもしれませんが、顧客を企業と考えずに、「人」と考えると同様の心理が働く局面があり、改善の視点として活用できるはずです。

このように、売上を構成する要素や、単価・客数を規定する要因を現状に即して検討し、営業に活かすという考え方が重要になります。
これは考えてみると中小企業であっても十分にできる取り組みです。是非トライしていただきたいものです。

ご相談などいつでもお受けいたします。

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