中小企業の財務分析 | 経営力向上、経営改善の視点で見る

中小企業の財務分析と業界指標との比較、経営力向上・経営改善のため財務から見てみる

中小企業庁の発表資料で、中小企業の実態基本調査が発表されています。
以前、このブログでも各種業界の平均指標や指標の意味について記事にしておりましたが、2010年度調査分(2009年の決算分)の調査資料も発表されております。
改めて、自社の経営指標と比較してみるのも良いでしょう。

もともと経理畑であったり、財務的なお話に興味がない場合、経営者や起業を目指す人にとって、財務というのはとっつきにくいものではあります。
しかし、財務的な情報というのは自社の今までの業務・事業上の取り組みのの結果を数値で表したものといえ、非常に重要な情報を多く含んでいます。「原価が高くなっている」「人件費や広告宣伝費が重くなっている」「売り上げが低下傾向だ」そのような情報を数値で正確に表すことができます。
そのくらいの情報は頭に入っているという方も多いかもしれませんが、正確な数値をもとにいろいろな視点から分析してみると、経営力向上・経営改善の知恵がわいてくるものです。

改めて、財務分析のための指標の種類について以下にどのようなものがあるか示します。

・安全性
 企業の支払能力という面での安全性を測る指標です。資本構成のバランスを見て、どのくらいの支払能力が
 あるのかということを計ることができます。流動比率や当座比率、固定比率、固定長期適合率などが
 代表的な指標です。
・収益性
 企業の収益力を見る指標です。これはわかりやすい指標で、売上高総利益率や売上高営業利益率、売上高経常利益率、
 ROA(総資本利益率)、ROE(株主資本利益率)などで見ます。黒字でできるだけそれを高めていく。中小企業の課題ですね。
・効率性
 資本をどれだけ効率的に利用し、売り上げを上げているかという視点での指標です。各種回転率などが代表的指標です。
 総資本回転率、売上債権回転率、棚卸資産回転率などが代表的な指標です。
 回転率で1年の日数(365日)を割ると、回転期間を求められます。こちらを見る場合も多いです。
・生産性
 自社の生産性を見る指標です。少子化の進む日本や海外との競争にさらされている現在の経営環境の中に会って、
 この生産性をいかにあげていくかというのは中小企業・零細企業にとって大きなテーマでしょう。
 投入した、人・物・金でどれだけの収益を上げたかという視点の指標となります。
 一人当たりの売上高、一人当たりの付加価値額、付加価値にしめる人件費の割合(労働分配率)などがあります。

その他にも、複数期間で売り上げの伸びを見れば、成長性を図ることもできます。
財務の情報は1期間で見るだけでなく、複数期間継続してその推移をみるということも大切です。

CONSULTING OFFICE 3Sのサイトで、中小企業の実態基本調査から計算した、各種指標をダウンロードできるようにしています。自社の経営指標との比較などに利用してみてください。

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