中小企業の経営改善 自己資本当期純利益率とその改善

自己資本当期純利益率

中小企業の経営改善のために、財務分析を行うことは、現状の把握のためにも重要なことです。財務分析の指標には様々なものがあり、総資産と収益の関係を見る指標については別記事に記載しました。それ以外に自己資本に着目した利益率として自己資本等基準利益率(ROE)というものもあります。

計算式は以下の通りです。
 自己資本等基準利益率(%) = 当期純利益 / 自己資本 × 100
自己資本は、純資産の部から新株予約権、少数株主持分を差し引くことになります。
また分母は期中の平均を使うことも多いようですが、自社の状況の把握のためには計算方法が簡便な期末の数値を使ってもよいでしょう。

ROEは株主資本を使ってどれだけの利益を上げているかという指標になります。投資した株主の立場で見るとこの数値が大きい方がよいということになりますね。
ただし、自己資本の規模と比較して借入金が非常に大きい場合もROEが大きくなる場合があります。これは同じ規模の資産を持つ会社を想定した場合借入金が多いほうが相対的に自己資本の規模(分母)が小さくなるために起こります。ROEが大きくても借入金規模が大きい場合は、経営上の安定性に問題がある場合もあります。ROEが大きく、自己資本比率も高いというのが理想ですね。

自己資本当期純利益率(ROE)や総資本利益率のような指標を改善するためには、分子となる利益率を改善することと、分母の水準を低くするということが考えられます。しかしながら、分母(自己資本)の水準を低くするということは会社の安全性といった面から危険な場合もあります(上記したように借入金の比率も上がってしまいます)。自己資本が明らかに過大であるというのは中小企業の場合は少ないでしょう。となると分子となる利益率を高くすることが必要となります。となるとやはり、売上を上げるあるいは利益率を上げるためには具体的に何をしていけばよいのかということになってきますし、さらなる分析が必要となってくるでしょう。

中小企業のROEを業種毎に纏めた表は以下の通りです。中小企業の実態調査の資料より計算しておりますが、新株予約権や少数株主持分の項目がなく「その他」でくくられていますので純資産をそのまま使用しております。また純資産は期末の数字を使用しています。

自己資本当期純利益率(平成19年度決算の統計より)

業種 ROE
全業種 4.5
建設業 0.9
製造業 5.5
情報通信業 2.2
運輸業 5.1
卸売業 4.9
小売業 2.9
不動産業 7.6
飲食・宿泊業 2.7
サービス業 4.5

自社の利益率を計算するには収益性分析のページをご利用ください。

自社の数値と業界の平均に遊離がある場合はその原因を探るためのきっかけとなります。また平均あるいは平均以上であった場合も自社の目標とする数字は更に上になってくるでしょう。目標達成のために何が必要かを考えていく必要がありますね。今後の方向性について中小企業診断士と相談してみるのもお勧めです。

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