中小企業の計画立案と計数管理は見える化の第一歩
中小企業や零細企業、店舗などの経営を見る際には、計画立案や、計数管理ができているかということは一つの視点になります。
ではなぜ、それが重要なのか?
頭の中でわかっていたら良いのではないか?と感じる人も多いと思います。実際それでできている人もいるのは事実です。うまくいっているのであれば、その事実自体には文句はないわけです。
しかし、人が増えてきたり、関係者が増えてきたり、業務が増えてくる中で、そのような計画や計数が合った方が「より良い」という状況になってきます。経営者の皆様の能力がいかに高くとも、おのずと限界があります。数年先まで完全に見通せるわけでもなく、場合によっては、数か月先の資金繰りも正確に抑えられないかもしれません。
計数で経営を見たり、計画を立てたりする意味は、
・立てた目標に対して、何をするべきなのかを明確にし、その進捗を管理するため。
・予期せぬ事態や異常が発生した際に素早く察知するため。
などの意味があります。
前者は多くの場合強調されるポイントです。経営計画や事業計画本などでもよく指摘されるでしょう。
私個人としては、後者の意味も非常に重要であると感じています。
何か問題が発生した際の「気づき」は非常に重要です。多くの経営者にとって、悪い情報はあまりうれしいものではありません。できれば目を背けたい。しかしながら、本当に目を背けてしまうと、経営はどうなるでしょう。現実の否認は経営者が絶対に避けるべきことです。
何らかの事象についての「気づき」の仕掛けは製造業などでの見える化の取り組みでもよく行われているでしょう。
たとえて言うと、人間には「痛み」という感覚があります。痛いのは嫌です。痛みなどという感覚はなければいいのに、と子供の頃などにはよく思ったものですが、痛みはないと困りますね。痛みが発生するような状況になって何も感じないのは生命の危険となります。
経営においても同様ですね。
痛み(たとえば、売り上げの未達や赤字)は目を背けて放置していると、悪化し、もしかしたら倒産の危険が生じます。
法律上「法人」として、権利能力を認める存在を作れるようになっていますし、店舗も同様に一つの存在ですが、人間のように「痛い」と言ったりしません。「困ってる」とも言いません。
ですので、その気づきは経営者自身が行う必要があるのです。
経営計画や、計数上の通常の値というのは人間の体でいうと、健康な状態を示すものです。そこにぶれが生じた場合、何らかの痛みを生じている可能性が出てきます。気づきを得られるかどうか。「見える化」するポイントでもあります。
計画やその計数化というのはそのような感覚を知るためのチェックポイントとして「活用」できるのです。
計画を書いただけで、使っていないという場合もあります。これも危険です。
計画を立てるのに意味はない。。。と思わずにその本来の意味を見つめてみませんか。
そのためには、
・自社の財務情報の分析の仕方
・経営計画を立て、アクションプランまで落とし込むこと
・現状の業務フローの定義(場合によってはあるべき姿へ変える経営改善のきっかけになるかもしれません)
業務の見える化
といった、様々な取り組みの可能性があります。