中小企業経営の好循環をつくりだすことを考えよう
アベノミクス効果により円高修正、株高となり、賃上げ回答も相次ぐことで、景気回復の期待が膨らんでいます。輸入商品や電力料金の値上げなど懸念もありますが、全体として景気の明るい側面に「期待」する雰囲気が出てきていますね。
株価回復 → 企業業績回復期待 → 賃上げで所得増 → 消費の増加 → 業績のさらなる回復 → 株価上昇 → ・・・・
という循環により、緩やかにインフレに向かっていくという流れができることが期待されているわけです。これは一時的な対策とは違い、好循環の中での自律的な回復であり非常に好ましい物であります。
しかし、中小企業の経営でこの景気回復の恩恵を実感できるようになることも重要であり、まだまだ、そこまでの実感はわかない経営者様も多いかもしれませんね。
マクロ的なお話は別としても経営を良くするというのは、上記したような好循環をいかに生み出していくのかということがテーマになる取り組みであります。
さて、皆様の会社にとっての好循環とはどのような状態でしょうか?
そこを考える必要がありますね。
好循環を生み出すためには、
- 前向きな取り組み
- その取り組みによって生じた結果のフィードバック
- フィードバックをもとに次の取り組み
- さらにフィードバックを得て・・・・・
- 最終的に最初の前向きな取り組みの継続に戻る
といった状態を作る必要があります。
つまり、前向きな取り組みとそのフィードバックの連鎖の中で循環するポイントを見定めてその取り組みを経営に組み込んでいくことが求められるわけです。
例えば、
- 経営ビジョン・目標を定義する
- その計画をもとに、アクションプランを立て、実行する
- 実行結果を見直し改善する
- そして、新たな目標を定義する
という形で新たな目標定義に立ち戻り、循環をしていくわけです。
もちろんここでは、従業員の視点も取り入れ、
- 経営ビジョン・目標を定義する
- その計画をもとに、アクションプランを立て、実行する
- 実行結果を見直し改善する
- 成果を従業員に配分する
- そして、新たな目標を定義する
従業員はさらなる飛躍をめざし意欲的に目標を決定する
という循環を生み出していきます。経営は人が行うことですので、将来に向けたモチベーションを循環の中に組み込むことは重要です。
これは所得増加期待からくる、現在の景気回復期待に近いものがあります。
「頑張れば、所得が増える」という期待を胸に頑張れる環境があるのか?
頑張る目標が定められているのか?
その結果をもとに、次のステップに移る取り組みを行っているか?
このようなことはチェックポイントになりますね。
毎年、経営目標が単発で決められており、連続性がない
業績に対するフィードバックや配分がない
将来の自分の飛躍に対する期待感が小さい
といった状態があると、循環は生まれにくくなります。
経営戦略は一つのストーリーを作る取り組みともいえます。良い循環をつくりだすその仮説を記したストーリーです。
そのような視点で、自社の取り組みを見直してみましょう。