損益分岐点計算

中小企業の経営改善のため損益分岐点計算も活用しましょう

売上高と費用の額が同じになる売上高を損益分岐点売上高といいますね。売上が費用総額より小さければ、赤字で費用総額より大きければ黒字となるシンプルな考え方です。採算点ともいいます。損益分岐点計算はシンプルであるために、多くの経営者が使用していますが、ここで簡単にその仕組みを説明します。

損益分岐点計算においては、費用を「変動費」と「固定費」に分解します。変動費は売上の増減に比例して増減するような費用をいいます。例えば、材料費や仕入原価等がそれにあたるでしょう。固定費は売上の増減にかかわらず経営活動の中で発生する費用であり、代表的な固定費としては人件費等があげられます。

限界利益は、売上高から変動費を差し引いた金額です。この限界利益を積み上げていって固定費を全てカバーできる売上高が損益分岐点売上高となります。それぞれ下記の計算を行います。
限界利益 = 売上高 - 変動費
限界利益率 = 限界利益 ÷ 売上高
損益分岐点売上高 = 固定費 ÷ 限界利益率
損益分岐点比率 = 損益分岐点売上高 ÷ 実際の売上高

損益分岐点売上高が非常に高い場合は、変動費(材料費、仕入れ費用など)が高すぎるか、固定費が高すぎるか等、何らかの原因があることになります。もしかしたら、売上単価が低すぎるのかもしれません。利益を上げるためには損益分岐点から、現在の費用構造の問題点を見つけ出し、改善していく必要があります。損益分岐点比率は低ければ低いほど売上減少に対する抵抗力があると見ることができます。

自社の状況は実際に確認してみましょう。下記のリンクよりEXCELシートをダウンロードして実際にどのような状況下を見て、改善に活かしてみましょう。

EXCELダウンロード:損益分岐_収益計算

費用を変動費・固定費に分解するのが難しいようでしたら、「売上原価」を変動費に、「販売費及び一般管理費」を固定費に見立てて計算してみましょう。業種や業務の実態に応じて、「販売費及び一般管理費」の20%程度を変動費に参入し残りを固定費とするという風にしてもかまいません。
変動費・固定費分解は厳密に区分すると手間がかかります。しかし、「こうしなければいけない」という決まりがあるわけではありません。理解をした上で、簡便な計算を行い経営改善に活かしていくという考えも必要ですね。

固定費・変動費の分解の仕方や、計算後の活用の仕方や経営改善の方針策定方法など疑問点やお悩みがありましたら、当事務所までお問い合わせください。

 

損益分岐点売上高を超えるためには何をするべきでしょうか?

損益分岐点売上高を現状超えられていないとすれば、何をするべきでしょうか?

コスト削減でしょうか?営業強化でしょうか?

具体的に数字で検討し、目標を立てることが何より大切です。

さらにもう少し分析を進めたいという場合は、CONSULTING OFFICE 3Sのホームページで無料の経営診断ワークシートをダウンロードできるようにしております。ご活用してください。